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2019.05.13 カテゴリー

第11回 大規模議会の市民との関係性を考える~旭川市議会を訪ねて~

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市民の意見を政策活動・議会活動に生かす

 旭川市議会の政策活動について、総務常任委員会における直近の政策提言を例に説明します。同委員会では、①若者の政治参加等に係る取組みへの支援施策について(平成29年3月)、②商業施設への期日前投票所の設置拡大等について(平成29年12月)、③旭川市総合庁舎建替基本設計(素案)に対する意見書(平成30年3月)を市長に対して提言しています。
 このうち、①については、平成28年度実施の市民と議会の意見交換会において、市民からの意見をもとに協議、検討の上、決定し、その後、一つの項目がすぐに実現しました。また③については、各会派からの論点提起を踏まえ、委員間討議を行った上で決定しています。
 政策提言等を行うには、委員間討議が必須です。争点となる情報が公開されることで、討議も活発化し、政策形成過程の透明性が高まります。その結果、政策活動の質が高まり、市民の理解も深まるのです。ただし、討議が常態化していないことは今後の課題です。
 全国市議会議長会の「平成30年度 市議会の活動に関する実態調査(平成29年1月1日~ 12月31日)」によると、議会報告会の実施は、30 ~ 50万人未満の50市中18市(36%)、政令指定都市を除く50万人以上の15 市中3市(20%)、政令指定都市の20市中2市(10%)と、人口規模が大きくなるほど消極的な傾向にあります。
 人口規模が大きくなれば、議会事務局や議会図書室の体制整備、インターネットによる議会の視聴など、議会運営等は充実化する傾向にあるものの、市民との交流の側面では、反比例する傾向にあるようです。その点からいっても、大規模議会である旭川市議会・議員の活動は、評価すべきレベルにあるといえます。もちろん、議会運営の評価・検証では、まだまだ改善の余地があるものの、議会基本条例の制定を機に、市民との交流を含めた議会活動が定着してきています。
 また、議会運営の検証に伴うものとして、市民が議会をどのように理解し、何を求め、どのような課題があるか等を把握し、広聴広報活動のさらなる充実化に向けて検討を行うための参考にすることを目的に、平成30年10月~ 11月、「市議会に関する市民アンケート調査」として、市政モニター調査とインターネット調査を実施しています(337人が回答)。
 この調査では、合計16の設問が用意されており、例えば市議会への興味・関心については、「とてもある」85 人、「少しある」161人、「あまりない」75人、「ない」16人という結果となっており、また自由記載欄では、議会への批判意見がある一方で、肯定的な意見や評価する意見、改善提案などもあり、今後の議会活動にとっても、示唆に富む内容となっています。
 このように、市民の意見を政策活動・議会活動につなげることが重要ですが、旭川市議会では、議会改革全般にわたり、チーム議会として議会事務局との連携が適切に行われています。議会・議員が主体であることは言うを俟まちませんが、すべてにおいて議会事務局の後方支援があるからこその活動なのです。議会と議会事務局が適切な距離感を持つことが肝要です。

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