2019.05.13 カテゴリー
第11回 大規模議会の市民との関係性を考える~旭川市議会を訪ねて~
(1)市民と議会の意見交換会について
議会基本条例12条に基づき、市民と議会の意見交換会を毎年開催しています。当初、条例に規定した広聴広報委員会が開催されていましたが、その後は4常任委員会が委員で班を編成し、所管する諸課題の中からテーマを定めて実施しています(平成30年度は延べ95人参加)。今年度のテーマは、「市民に役立つ住宅政策」(建設公営企業)、「通学路・登下校時の安全対策」(経済文教)、「就学前保育支援」(民生)、「新庁舎建設に向けた取組み」(総務) です。後述するように、これまで総務常任委員会では、市民との意見交換を踏まえて市長への提言等の政策活動を行っており、意見交換会自体が年々熟度を増しています。
意見交換会の運営は、その大部分を議員自らが行い、議会事務局は後方支援を行います。議会基本条例の制定に当たり、市民意見を聴取し、市民とともにつくり上げた経験を生かし、議会事務局任せではなく、議員自らが汗をかいて取り組んでいるのです。
(2)議会運営の評価及び検証について
議会基本条例19条に基づき、常に市民の意見や社会情勢の変化等を勘案して、2年に1回、議会運営の評価・検証を行っています。直近では、平成27年5月15日~ 29年3月31日までの市議会運営について、議会の自己評価を検証の範囲として、評価の妥当性や今後のあるべき方向性などについて全体的検証と項目別検証を行っています。検証者は3人で、主に学識経験者で構成されています。項目別検証は、「説明責任と情報公開」、「市民との意見交換の実施」、「政策提案及び政策提言」、「常任委員会の活性化」等11項目で構成されています。
この中では、市議会ホームページのリニューアルや市議会だよりのQRコードの掲載、目の不自由な人向けのCD版の作成などの積極的な情報発信や、市民との意見交換会での意見をもとにした総務常任委員会からの政策提案・提言を評価する一方で、意見交換会とは別に市民意見を聴くための新たな取組みを引き続き検討すべき等の指摘をしています。
このように、改善・検討すべきことが残されていると、それが次回の検証の対象となり、評価・検証のサイクルが生まれます。不断の議会改革が続くことは、改革の継承・継続を意味し、議会としては大変重要なことです。また、検証結果報告は、議会自らが改革を進めていることへの理解を深める場にもなっていますが、公表により一般市民の理解をも深めることになります。