2019.03.15 コンプライアンス
第14回 選挙告示直前! 注意点のおさらい(3)
(2)準備行為のポイント
選挙運動は立候補届出後に行えますが、立候補するかどうかの情勢調査や必要書類の準備、選挙運動を始めるためのハード・ソフト両面の手配は事前にしておかなければなりません。
これらは一見、前記の選挙運動に該当するようにも思えますが、実務上は準備行為として認められています。
この準備行為といえるかどうかの判別ポイントについて検討します。
まず、一般的に準備行為として認められているものは、以下のようなものです。
① 立候補準備行為……立候補の届出をするための手続的行為
例:立候補するかどうかの情勢調査(いわゆる瀬踏み)、立候補予定者の選定行為、政党の公認、立候補手続の書類作成等
これらの行為は、立候補の準備のために認められるものですから、投票依頼を兼ねるなど実態として前記選挙運動に当たる行為が行われた場合、その行為は事前運動となります。
② 選挙運動準備行為……選挙運動を遂行するために必要な準備
例:選挙事務所や備品の借入れ内交渉、選挙運動員依頼の内交渉、選挙事務の割り振り、選挙運動用ポスター・看板・ビラ・葉書等の制作、選挙対策本部内部の打ち合わせ等
これらの行為は、選挙運動を行うための内部的な準備行為であるため、選挙運動の要件③を欠くことになります。したがって、投票依頼の目的をもって交渉した場合や、準備行為を対外的に不特定又は多数に告知するような場合には選挙運動と見なされ、事前運動の禁止に抵触することになります。
以上から、許される準備行為かどうかのポイントとしては、以下のようなことが挙げられると思います。