2019.03.11 カテゴリー
第9回 議員、議会事務局、町民の間で、議会の現状について理解を深める~浦幌町議会を訪ねて~
(3)議員のなり手不足問題の検証
第2次活性化の中で最優先課題とした議員のなり手不足問題の検証は、活性化の最終報告同様、平成29年3月、171頁にも及ぶ報告書を公表しました。町議会への町民参加・交流の促進だけでなく、町民の政治参加、社会全体の政治への意識の高まり、国への法制度改正の要望等、多岐にわたる内容を分野別に整理しています。議会という合議制機関の存在にも関わる重要な取組みです。いくつかの取組みについて簡単にご紹介します 町民の議会への関心を高め、議会への誤った理解を払拭するには、議会による町民に身近で開かれた対応が必要になります。その意味では、「まちなかカフェ DE議会」や「まちなかおじゃまDE議会」、「議会活性化展示コーナー」などは、議会の存在を身近に、開かれたものと感じさせてくれるでしょう。前2事業についてはネーミングも親近感を感じさせます。条例で2事業が規定されているというのも同様です。いずれの事業も議会と町民の交流促進につながっています。
また、平成31年改選に向け、「議会を知りたい、議員になりたい、政治に興味がある」人たちを集め、平成30年5月~ 12月、「個人個別研修会」を参加希望者の要望に合わせて5回程度開催しました。町民や町に在住予定の人への政治参加を促す取組みです。
「議会議員チャレンジ奨励・雇用促進事業補助金(仮称)制度検討」も、議会として、議員のなり手不足を何とか解消したいという意思の表れです。 議員報酬は現在の月額17万5,000円でも十分とはいえず、議員のなり手不足の一因にもなっていることから、議員の活動(公式・非公式を踏まえた実際の議員活動)をもとに、議員報酬の算出基準を定める「浦幌方式」も、議会としての考え方を示したものといえるでしょう。
これらは先駆的な取組みですが、今年4月実施の町議選への立候補者が増えるかどうかが課題です。「個人個別研修会」への参加者などにその芽が出てきているようであり、一議会としてできる環境の整備が、議員のなり手不足問題に一石を投じているのは間違いありません。
(4)議会町民アンケート調査
第2次活性化や議員のなり手不足問題を検証する中、平成27年10月、浦幌町議会は町民の約4割に当たる2,000人を対象としたアンケート調査を実施しました(回収率30.9%)。「議会への関心度」、「議会の広報」、「議会の運営」、「議員定数」、「議員報酬」の5項目について、33項目の設問を設定しています。調査により町民に議会活動への理解を深めてもらう一方、評価されている点や課題として残されている点など全般的な把握が行われました。また、議員が欠員している現状には、町民も危機意識を持っていることが読み取れますが、アンケートの実施自体に議会の相当な危機意識がうかがえます。