8 議員にとっての政策(マニフェスト)の達成とは何か
佐藤 ローカルマニフェストを主張する際に、よく指摘されるのは、「議員がマニフェストを出しても本当にそれが達成できるのか」ということです。大きなテーマを掲げる候補者もいるかもしれないけれど、私はやれっこないことを政策ビラに書くつもりはないんです。せめて手の届く中で、「こういうことやああいうことをしたい」と訴える、これは現職議員の方が具体的な見通しを持って書けますよね。
そして次の選挙の時に、4年間で自分ができたことや勿論できなかったこともあるから、検証して示すというのは大事なことだと思います。示す媒体はビラでもHPでもいいと思うけれど、住民に対して返していくというのは大事。そしてそういった検証作業をしっかりやっている議員なのかどうかということが客観的に分かる指標があるといいなと思いますよね。
白井 行政に対しては「この計画振り返ってないじゃないか」とか「PDCA回せよ」とかいうのに、自分のPDCAを回している議員は結構少ないんですよね。自分の活動がやりっぱなしだと整理が出来ないから、その分行政に対しても余計な指摘をしてしまってることもあるんじゃないかと思います。
そうは言っても、PDCAを回すのは、大変です。それでも私が続けているのは、効果があると感じているから。「これができていない」と振り返りができる点、そしてマニフェスト進捗率何%ということを数字で表せる点です。選挙の時にマニフェスト振り返り100%って主張できるわけですよ。
政策ビラの普及にあたっては、ビラにしっかり取り組むことにはメリットがあるって候補者が思えるような支援ができるといいですよね。そこは政策選挙を掲げる立場としては必要じゃないかなと。
青木 議会や議員の活動はアウトカムが取りづらいので、評価がしづらいというのはあります。せめて政策を実現するために一般質問や日々の活動をするなどアウトプットをしているか、そして自己評価をしているかということで、議員の活動評価ができないかと思っています。今後マニフェストスイッチに導入していきます。
田中 政策ビラについては、有権者に対してというのもあるけれど、もう1つは、職員に向けてという側面も大きいと私は思っています。
(写真)政策ビラは、職員に向けた側面もあると指摘する田中議員
全員 めちゃめちゃ大事ですよね。職員は議員のビラ集めていたりしますよね。
田中 職員は、誰よりも見ているんですよ。議員の政策集を。
例えば、私もいつも「エビデンスがー」「アウトカムがー」って職員に対して言いますが、翻って「田中はちゃんとやってるのか・振り返りをしているのか/してないのか」、そういうのを職員はシビアに見ています。
私はまだ皆さんに比べたら足りてないんですけれど、それでもこの後どうやって進めていこうかっていうところは意識して活動しています。それは、職員に「この議員は行政に対してはさんざん批判するけど、自分のことは都合よく解釈してるよな」って思われると、職員が信用してくれなくなってしまうからです。
だからPDCAをしっかり回して、有権者だけでなく職員向けにも、政策の進捗を数字で示すといったことが、今後、非常に大事になってくるかなというのはすごく思いました。
次回「下編」は、 2019/3/4公開予定です。お楽しみに!(編集部)