2018.10.10 条例
第40回 議会基本条例の評価・見直しはどう行うか
議会事務局実務研究会 吉田利宏
お悩み(最後のご奉公さん 50代 町議会事務局長)
我が町も数年前に議会基本条例を定めました。「必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」との見直し規定が(最後に)置かれています。しかし、いまだ一度も見直しが行われていません。それどころか、議会基本条例の規定が実施されているかの評価さえも行われていません。私も定年まで1年余り、一般選挙後にこの見直しを実現して最後のご奉公にしたいと考えています。さらなる議会改革につながる見直しとしたいのですが、議員が行うと「おおむね妥当である」との評価ばかりが並ぶ気がしています。そこで、大学の先生や弁護士を委員とする「第三者機関」をつくり、まず、見直しに向けての評価をしてもらうのがいいように思うのですが、いかが思われますか。
回答案
A 議会が「したふり」を決め込むなら、事務局長の案のとおり、最初に、第三者機関を設置して厳しい意見を述べてもらうのが一番である。
B 「したふり議会」の本当の姿を住民に示すことになるかもしれないので、第三者機関に評価させることはよくない。
C 「したふり議会」であっても、まずは自己評価が重要である。議会として自己評価をした上で、第三者機関に意見を述べてもらうなら、それはそれでいい。
お悩みへのアプローチ
付き合っていた頃は、あんなにマメだったのに、結婚したとたん、家ではゴロゴロしていて、「メシ」と「フロ」しか言わない。そんな男性はまだまだたくさんいます。朝早く車で迎えに来てくれたり、買物の荷物を持ってくれたりしたことも、今となっては「下心のなせる業」だったということなのでしょう。そんなパートナーを嘆く人も多いかもしれませんが、嘆くよりも、何とか夫の役割を自覚させて家事分担を図りたいものです。
議会基本条例も、制定するときには、それなりに熱心に議論をして、住民の意見にも耳を傾けてくれたのに、条例を定め終えたらそれで終わりという、佐藤淳先生(青森中央学院大学)のいうところの「したふり議会」が多いかもしれません。議会基本条例を最初に定めたことはすばらしいことですが、栗山町議会がそれと同じぐらいすごいのは、議会基本条例の見直しを欠かさないことです。しかし、そんな議会はわずかです。最後のご奉公さんの議会も「したふり議会」のひとつのようですね。それでも、事務方として、何とか見直しに向けてのアクションを起こそうということなのでしょう。