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2018.06.25 女性議員

第6回 女性議員の比率No.1と女性議員による議会改革No.1の地方議会〜葉山町と取手市〜

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【インタビュー1】

取手市議会女性議員特別委の池田慈・委員長に聞く

 女性議員特別委設置の中心人物、取手市の池田慈市議(特別委員会委員長)に経緯をうかがった。池田議員は2012年1月の市議選で初当選し、現在2期目。「とりで生活者ネットワーク」のメンバーで、市議会では無会派である。

取手市の池田慈市議取手市の池田慈市議

──なぜ、女性議員による議会改革なのでしょうか。
 よく熊本市議会での一件(女性議員がやむなく乳児を連れて本会議に出席し騒動になった)がきっかけですかと聞かれますが、違います。そもそも議会運営委員会で(取手市議会の)会議規則の見直しを進めていました。私は1期目のときから女性議員の出産や育児などについて話し合いたいと思っていました。テーブルの上に上げて話合いがしたいと。女性がもっと議員活動をしやすいように会議規則を変えていくべきだと思っていたからです。そうしなければ、女性が議員になろうと積極的に思えないと。

──なるほど。
 それで佐藤清議長(当時)に議会運営委員会で取り上げてもらえないかと伝えましたら、議長が「女性が7人もいるのだから、特別委員会でやったらどうですか」とおっしゃってくれたのです。そして「会議規則を変えることが大事ではないか」と、背中を押してくれたのです。正副議長や各会派の代表者が集まる懇談会でも議論となり、「女性だけで委員会をつくったらどうか」という意見が出ました。その議員(赤羽直一議員)は、「男性には分からない女性独特のいろいろな事情を注視して、議会改革に役立ててもらいたい」と主張しました。出産や育児、介護は人によって状況が違います。いろいろな経験をしてきた人が集まることが重要で、本音で語り合いたいので、女性にこだわりました。そのため女性議員だけで立ち上げました。

──男性議員も話合いに加わるべきとの意見は出なかったのですか。
 ありました。女性だけで特別委員会をつくるのはおかしいと、3人が設置議案に反対しました。女性だけでなく、男性にとっても議会活動がしにくいものになっていると思います。特別な人でないと議員活動ができないというのは、そもそもおかしいと思います。子育てをしながら、親の介護をしながら、議員活動ができるようにしなければいけないと思います。そういうごく普通の生活をしている人たちの意見が(政治や行政に)反映されなければいけないと思います。

──具体的に、どのように議会を変えたいとお考えですか。
 特別委員会での協議をとりまとめて、6月議会に提言・提案として提出いたします。それを基に会議規則を変えたい。今後は出産や育児、介護などで議会を休むことができるように会議規則を改正したいのです。在宅での投票や議員活動の可能性などについても議論したいと思っていましたが、そこまではいきませんでした。

──委員会のメンバーは全員女性ですが、いろいろな党派・会派の集まりです。委員長として大変ではないですか。
 議員個々の意見の違いはありますが、党や会派で対立するということはそれほどありません。

 取手市の女性議員7人が議員提案した市議会会議規則と条例の改正案は、6月22日の本会議でいずれも可決成立となった。

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