2018.06.25 議会事務局
第37回【最終回】 議会にまつわる様々な疑問
そもそも議員の仕事って、何?

最後の最後に、今更ながら一番大事なことを改めて考えてみたいと思います。
議員の皆さんは日々、本会議や委員会などの会議、そのための勉強、現地視察、新年会などの地元の会合への出席、街頭演説、国などへの要望活動などに忙殺されているはずです。それでも仕事をしていないと批判されるのは、きちんと知られていないからでしょうか? ところで、議員が知らせたい「議員の仕事」は、一般住民が期待する「議員の仕事」と同じでしょうか。
「議員の役割」、つまり「議会の役割」についての専門書での定番の説明は「行政を監視すること」と「政策を立案すること」です。行政を監視するために一般質問などで一議員として指摘し、政策を立案するために視察で知った事例を挙げて一般質問などで一議員として提案しているのは事実でしょう。一方で、指摘しながらも最終的に首長の提出議案の大半を修正せずに可決し、議員提案の政策条例の可決成立が少ないのも事実です。サッカーでいえば、シュートはしていてもゴールを決めることは全くないようなもの。もしかしたら老練な試合さばきで相手のオウンゴールを誘っているのかもしれませんが。ましてや試合中に全くボールに触れない選手のように、議会でほとんど発言しない議員がいたら、議会の外でどんなに活動していても一般住民に納得してもらうのは難しいでしょう。
付け加えるなら、議員が1人の単位でどんなに声を上げても、それだけでは声の大きい一般住民と大差ありません。議員はスタンドプレーだけでなく議論を経て意見をまとめ、チームとして意思を示す「議会」になってこそ、首長に対抗できる力を得られるのです。「議会」というチームとして「行政を監視」し、「政策を立案」し、それを目に見える「議会の成果」として一般住民に提示することこそが、議員の仕事ではないでしょうか。
皆さんのおかげで続いたこの連載、説明や書き方にご意見がある方や、取り上げられなかった疑問がある方は、ぜひ議員NAVI編集部までご一報ください。また皆さんと再会できるときが来るかもしれません。そんな日が来るのを期待しつつ本連載を終えさせていただきます。長きにわたってお読みいただき、ありがとうございました。