地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2018.06.25 議会事務局

第37回【最終回】 議会にまつわる様々な疑問

LINEで送る

議会で決められることは条例や予算だけなの?

男性

 執行機関が進めていることを議員が事後に知って、「議会に相談もなく決めるのか!」と問題になったことはありませんか。議会で決めること、いわゆる「議決」をすることには大きく分けて2つあります。1つ目が、必ず議決をしなければならないことです(地方自治法96条1項)。代表的なものとして、条例の制定・改廃、予算の決定、決算の認定などがあります。2つ目が、各自治体の判断で議決が必要と条例で定めることです(同条2項)。これらに含まれないものは、議決の必要なく執行機関の権限で行うことができます。
 各自治体の条例で定めている議決事項として多いのは、自治体の基本構想や基本計画、友好都市との協定などです。自治体によって違いますから、これらを議決事項としている議会もあれば、していない議会もあります。
 議決なしで首長が勝手に進めるなんて納得できないと思うなら、議会として条例で議決事項にすればいいわけです。逆に、首長側の事情として後から議会に何か言われるのを避けるために、あえて議決事項にするよう議会に求めてくる場合もあります。
 ちなみに、正式に議決することと定められていなければ、首長は何でも自由にできるかというと、そんなことはありません。「事前に議会に相談・報告しろ」と求められ、公式・非公式に説明して納得してもらえない限り、道義的・政治的には首長が勝手に進められない事例は結構あります。

執行機関の職員とうまく付き合うコツは?

女性

 テレビドラマなどに出てくる議員の、極端に誇張された悪人像のせいか、議員という存在には最初から強いマイナス・イメージがあり、それを前提に他人とコミュニケーションをしなければならないハンディがあります。実際に議員と接して人間的な魅力も十分感じてきた立場から、あえていわせてもらえば、執行機関の職員の多くは、議員を、自分たちの仕事に文句をつけて邪魔ばかりする面倒くさい存在だと感じ、できれば避けたい相手として一般住民以上に恐れています。議会の場で質問責めに遭う管理職は、定期的に訪れる身近な脅威として、ごくまれにしか接しない一般職員は得体の知れない未知の恐怖として。ある自治体では、一般質問の答弁原稿を書き上げるためだけに担当職員らが夜遅くまで残業しています。必要な業務だとしても、歓迎する気にはなれないのも人情というものでしょう。
 議員が自治体を良くしたいと真剣に思っているように、職員もまた大なり小なりこだわりを持って仕事に取り組んでいます。意見の相違はあれ、互いに自治体のために働いている者同士であるという敬意を持って接することが必要です。犯罪者に接するように最初から追及する姿勢だと、まともな職員の態度まで硬化させてしまいます。一方的に批判されたら、立場上は我慢して黙って聞くとしても、内心では協力する気を完全に失います。恫喝(どうかつ)してゴリ押しする印象を与えず、政治的な事情だけでなく一般的に考えても議員側の言うとおりだと、本心から思わせる根拠や理由をいかに示すことができるかです。また、「ありがとう」や「おつかれさま」などのお礼の一言、再会したときに名前を呼んで声をかけることなど、一般の人付き合いで大切なことは職員も同じだと思ってください。窓口や地域の現場で働いているときに「◯◯さん、おつかれさま」などと議員から言ってもらえると悪い気はしません。
 ところで、議員の皆さんが接する職員は大抵、管理職でしょうが、管理職が現場を十分把握して代弁できているとは限りません。管理職の議会答弁を一般職員が聞いていて、「えっ? そんなこと言っていいの?」と耳を疑うこともあります。議会答弁こそが責任ある者の公式見解ですが、末端の職員の認識や思いと異なることがあるのもご理解ください。

この記事の著者

議員 NAVI

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る