2018.03.26 住民参加
第3回 外国籍住民が自治を担う時代に ~愛知県西尾市~
住民の5%が外国籍で、月100人ペースで増加中の西尾市
合併して新西尾市となった2011年4月当時の市内の在留外国人数は5,360人で、住民に占める割合は3.2%だった。それが現時点(2018年2月)では8,591人に上り、住民の5%にまで達している。しかもここにきて毎月100人ペースで急増しており、ブラジル人だけでなく、フィリピン人やベトナム人、インドネシア人の姿が市内で目立つようになった。外国人住民の増加が再び顕著となり、さらに国籍の多様化など新たな事態が進行している。
「今、団地の住人の4割が日本人です。そのほとんどが高齢者世帯と母子家庭です。6割いる外国人の半分は日系ブラジル人やペルー人で、あとは東南アジアの人です。最初の頃は(外国人と)いろいろもめました。警察にもよく相談に行きましたが、“仲良くしてください”というだけでした。しかし、彼らが日本のルールにのっとって生活して初めて、仲良くなれるのです。こちらのルールに従ってください、団地の集まりにも出てくださいとはっきり伝え、仲良くなれました」
こう語るのは、西尾市で外国人比率が最も高い緑町団地の自治会長を務める青木忠雄さん。緑町団地ではニューカマーの住人が増え始めた頃(1990年代)から、外国人入居者と積極的にコミュニケーションを図り、団地のルールを理解してもらうことに力を入れたという。
「外国人も地域の担い手になってもらわないと、地域そのものが崩壊してしまうと思います」
こんな持論を明かすのは、緑町団地で1992年から2003年まで自治会長を務めた川部國弘さんだ。
川部さんは、自治会長になった頃に外国人住民に言われたことが脳裏から離れないという。団地内のルールを守らない外国人になぜ守らないのかと問い詰めたところ、「日本人がつくったルールで、僕たちがつくったものではない。住んでいる街のみんなが一緒になってルールをつくらないと、守れない」と言われたのである。