地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2018.03.26 住民参加

第3回 外国籍住民が自治を担う時代に ~愛知県西尾市~

LINEで送る

人口減少と外国人住民の急増が同時進行する日本

 人口減少と少子高齢化が進む日本社会において、増加傾向を示しているのが、在留外国人の数である。2016年末時点における在留外国人数は238万2,822人で、前年末と比べて6.7%増加した。日本の総人口1億2,693万人(2016年10月1日時点の人口推計)の約1.9%を占めており、ともに過去最高となった。
 在留外国人を国籍別にみると、トップは中国で69万5,522人(29.2%)、以下、韓国45万3,096人(19.0%)、フィリピン24万3,662人(10.2%)、ベトナム19万9,990人(8.4%)、ブラジル18万923人(7.6%)となっている。
 在留外国人を在留資格別にみると、最も多いのが永住者(特別永住者を含む)で、106万6,061人。次が定住者の16万8,830人で、このうちの約3割をブラジル人(4万9,542人)が占める。3番目に多いのが日本人の配偶者で13万9,327人。配偶者の国籍をみると、中国、フィリピンの順だ。続いて留学(27万7,331人)、技能実習(22万8,588人)となっており、こちらは中国とベトナムが多い。
 一方、在留外国人数を都道府県別にみると、一番多いのは東京都の50万874人で、全体の21.0%を占める。以下、愛知県(9.4%)、大阪府(9.1%)、神奈川県(8.0%)、埼玉県(6.4%)となっている。
 愛知県に在留する外国人が多いのは、詳述するまでもない。県内の自動車関連工場などで働く日系人などが集まっているからだ。そのきっかけとなったのが、日系2世の配偶者や子どもに定住者としての在留資格を与える、1990年の入国管理及び難民認定法の改正である。労働力として日系ブラジル人を活用する企業が急増し、彼らを斡旋(あっせん)する人材派遣会社が次々に設立された。こうして愛知県内に居住する外国人が激増した。安価で良質な労働力を欲していたモノづくり現場が外国人を吸い寄せたのである。
 2008年のリーマンショック後、在留外国人の数はやや減少したものの、近年は再び増加傾向が顕著となっている。2016年末時点で愛知県内の在留外国人総数は22万4,424人と、東京都の半数以下だが、ブラジル人やインドネシア人、パキスタン人やトルコ人の在留数は全国で最も多い。また、県内在留外国人総数は、2016年12月末から半年たった2017年6月時点で1万人ほど増加しており、県内人口に占める割合は3%を超えている。
 「昨年の4月初めに県庁から“西尾市さん、そちらに住む外国人が大変な数で増えていますよ”という電話をいただきました。確かに1か月で100人も増えていまして、増加率は県内で3番目です」
 こう語ったのは、愛知県西尾市地域振興部の山崎隆文次長。
 三河湾に面する西尾市は人口17万2,057人(2018年2月1日時点)。温暖な気候と矢作川デルタに広がる肥沃(ひよく)な土壌を持つ地域で、全国屈指の抹茶の産地として知られる。西尾市は2011年4月に隣接する一色町、吉良町、幡豆町の3町を編入合併し、面積約161平方キロメートル、人口約17万人の地域の中核都市となった。旧西尾市の面積は75.78平方キロメートルだったので、市域は2倍以上に広がったことになる。豊富な自然と観光資源、そして重厚な歴史文化を誇る多様な地方都市である。ちなみに西尾市の財政力指数は0.99(2015年度)で、経常収支比率は88.2%(同)だ。

この記事の著者

議員 NAVI

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る