会議録を直させたい場合は、どうするの？

　会期の途中に、自分や他の出席者の発言が気になって直させたい場合は、その旨を申し出て認められれば発言の取消し・訂正がされます。自分の発言については比較的認められやすいものの、他人の発言は言った本人が納得しなければ、もめるので要注意です。ちなみに、直せるのは一般に配布される公開用の会議録だけで、原本までは直せません。「大島はバカだ」と発言し、「バカ」の部分を取り消すことが認められた場合は、配布用の会議録のみ「大島は●●だ」などという表記になります。
　一方、会期後に発言の取消し・訂正をしたい場合は、対応は難しくなります。本来、発言の取消し・訂正は会期後にはできないので、そんな相談が議員からあっても事務局はお断りすることになりますが、実務上は各議会によって運用の仕方が違うようです。正誤表を別につくったり、次の会議でその旨を述べてもらったり、直す程度によっては整文レベルの軽微な訂正として事務的に直したり、等々。ただし、発言の趣旨そのものを変えたり、全く言っていないことを言ったことにしたりするのは、完全な改ざんになるので、さすがに無理です。

会議録を調べるときに、注意した方がいいことは？

　多くの自治体議会に導入されている会議録検索システムで調べるとき、過去に議論したはずなのに検索結果で出てこないことがあります。考えられる理由を挙げてみましょう。
　１つ目は、検索する言葉の選び方です。地元の産直市に補助金を出していることを調べるとき、「産直市」と検索して出るのは「産直市」と発言した場合だけです。「産直市」のイベント名が「みんなの市」だったり、補助金の名前が「地産地消運動推進補助金」だとすると、これらの言葉を発言したものは引っ掛かりません。
　２つ目は、検索の対象とする会議です。所管の常任委員会だけで検索すると、予算・決算委員会や本会議での発言は引っ掛かりません。幹事長会のような非公開の会議は、そもそも検索システムの掲載対象にもなっていないでしょう。
　３つ目は、開会時期です。ご自身の議会の検索システムに過去の会議録がいつの分から掲載しているかご存じですか。大半は昭和の会議録は掲載していません。一方、紙の会議録は、災害で焼失していなければ約100年前のものも保管されています。ひたすら紙をめくる地道な作業になりますが、調べてみると議会の歴史を感じられ、なかなか興味深いものです。

　いかがでしたか？　議員をはじめとする様々な方々の努力の結晶として、会議録はでき上がっています。ぜひ存分に活用してください。次回は、議会の様子を住民に知ってもらうための大事な仕組み、「傍聴」について取り上げます。