2017.10.10 一般質問
執行部を動かす一般質問の作法心得
4 提言
本稿では、一般質問をどのように準備し、どのように執行部に伝えれば(質問すれば)よいのか、執行部を動かす一般質問の作法心得について考えてきました。ぜひ実践してみてください。その実践が、①可謬性への対応、②効果・効率の要請への対応、③分かりやすさ(丁寧さ)への対応を行政運営の中に求めることにもなります。
議員にとって、一般質問は日頃の課題認識を執行部に伝える絶好の機会といえます。にもかかわらず、その機会を生かせている議員はそう多くはないともいえましょう。通告書締切日に提出された内容が意味不明であると指摘されることもあります。残念なことです。
質問に当たっては十分な事前準備をしてください。そして、一度失敗してもあきらめることなく試行錯誤し、また実践してください。その取組みが市民の幸せと地域の活力につながることでしょう。一般質問に魂が宿るのは、議員が市民の声を聞き、市民の表情と姿を思い浮かべながら質問をしているときです。そのような質問には迫力があります。市民と関係性を持ち、その上で熟考した一般質問を期待したいと思います。
一般質問について執行部では、時系列、テーマ別、議員別で、その内容やその後の経過を一覧表として検索しやすい形で進行管理しています。議会には、執行部のその後の取組状況を議会に報告(資料提供)させるなどして、一般質問の進捗管理を行っていくことが期待されます。そして、このような資料は、市民、議会、行政の共有の財産であるとの認識を持つことが肝要です。
慣例は改められるためにあると考えることが必要な時期もあります。議長だから、副議長だから、監査委員だから、議運の委員長だから一般質問は遠慮するという慣例はいかがなものでしょうか。議員の役割を放棄しているといわれてもやむを得ないのではないでしょうか。
一般質問は、執行部に対する市民を代表しての質問です。安易に、時間短縮、日数短縮をしてはなりません。このことを議会内部(議員間)や議会と行政の都合だけで判断すると謬(=間違い)を生むことにつながります。市民の目線から考えることが求められます。市民目線が、市民の納得を得ることにつながります。
一般質問の前に、議員間で質問内容についての「(仮称)一般質問会議」を行い、そこでの議論を踏まえた上で質問することを試みてはいかがでしょうか。これまでの経緯を踏まえた、多面的・構造的な質問につながることでしょう。一般質問についての議員間連携を議会として行うのです。
〔参考文献〕
◇土山希美枝『「質問力」でつくる政策議会』公人の友社(2017年)