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2017.09.25 議会事務局

第28回 悩みの多い議会報告会

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参加者が求める内容とは?

男性

 「議会『報告会』なんだから、報告事項の朗読がメインになっちゃうよね」と参加者の減少に悩む議会の議員が自虐的に言いました。同じような悩みを持つ議会は多いかもしれません。どうしても「報告」という名前に縛られてしまうのであれば、「議会報告会」の名前を変更して「報告」の呪縛から解き放たれましょう。「○○議会と大いに語らう会」でも「○○議会に物申す会」でもいいのです。あるいは、議会報告が最低限しかない議会報告会でもいいのです。例えていうと、ラーメンのトッピングに使われる味付け煮卵は実際には煮ていませんし、カニカマはカニではなく魚のすり身でつくられていますが、文句を言う人はいませんよね? すでにそれ自体が固有の名詞として通用しています。議会報告会も同様ではないでしょうか。名前にこだわる必要はありません。中身で勝負です。
 さて、報告会の参加者は、何らかのメリットを求めて参加します。議会だよりや会議録を読めば分かる内容を朗読するような報告会では、参加者が減少するのも当然です。参加者は参加したものにだけ与えられる、いわば「おまけ」を求めて、わざわざ休みの日に時間をつくって報告会に参加してくれるのです。例えば、報告会で出された良い住民意見は次の定例会で必ず一般質問するとか、本会議での記録には残っていないが実はこんな舞台裏があったなど、報告会をどのような場として位置付けるかによって異なりますが、いろいろと内容の工夫ができるのではないでしょうか。

個人の意見を言いたいのですが?

女性

 議会として報告会を開催するため、報告会では議員個人の意見を述べてはいけないとしている議会がほとんどです。しかし住民からすると、目の前にいる議員個人の意見を聞けないことはとても不思議なことで、不満のたまる要因となっているようです。最近は個人情報保護の観点から目線を隠した写真や動画をよく見ますが、目線を隠した写真をいくら出しても、隠しのない満開の笑顔の写真1枚のインパクトには勝てません。どの議員が回答しても同じ内容になる報告会が面白いわけがありません。参加している議員が自分の意見がどんなにすばらしかったのかをアピールし始めると収拾がつかなくなってしまいますが、個人的な見解とお断りを入れた上で、住民との意見交換をするなど、議会報告会をリノベーションする時期に来ているのではないのでしょうか。難しいのは承知していますが、「議会の論理」ではなく、参加者側の目線に立って報告会の内容を精査していただければと思います。

 いかがでしたか? 議会報告会は住民の近くに議会が赴くということに重要な意義はありますが、本来は傍聴や請願、公聴会などにより議会に住民が集まってくることが開かれた議会であり、望ましい議会の姿であると考えます。次回は委員会について取り上げます。

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