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2017.09.25 議会事務局

第28回 悩みの多い議会報告会

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議会批判一色になりませんか?

男性

 議会報告会の回数を重ねると少なくはなってきますが、当初は「議員に一言文句を言ってやろう」という思いで参加してくる住民も少なくないため、どうしても議員への批判というのが質問として出てきます。多く出るのが「議員報酬が高すぎるのではないか。減額するつもりはないのか?」という質問です。「議会報告会」なので議員個人の見解を述べるわけにもいかず、多くの場合、「第三者機関である特別職報酬等審議会で決定されたものであり、そこでの答申を尊重しています」と自分たちが決めているわけではないという回答が一般的ですが、質問者としては不満が残ります。筆者が参加したある議会報告会では事前に想定質問として準備していたようで、「ある月の○○議員の報酬の内訳です。議員報酬○○円、国保税○○円、市民税○○円、電気代○○円、研修費用○○円……差引き○○円で、これが月の生活費となります。これが高いか少ないかは市民の皆様の判断になります」と答えたところ、「意外と少ないなあ」というささやきが会場のあちこちで聞かれ、会の雰囲気が一気に変わりました。「政党への納付金とかあるのでは」という質問にも「もちろんあります。後で来ていただければ詳しくお答えします」と切り返し、お金に関する質問はこの後出ることはありませんでした。下手に隠そうとすると不信感を増すだけであり、「隠さずにすべて話しますよ」という姿勢で明快に答えたことにより、議会への不信の一部を拭い去った印象を受けました。
 議会報告会は、自身の支援者向けの報告会と違って、耳の痛い意見や「このやろう!」と思うような物言いの住民の意見も当然にして出ますので、開催を渋る議員も多いと思います。しかし、様々な住民の意見を聞ける場として誠実に回数を重ねていけば、住民も成熟し、実りのある議会報告会へと成長していきます。逆に、何となく義務感で行っている議会報告会は、参加人数が減少していくことと思います。

新しい参加者を増やすには?

女性

 議会報告会を開催すると、初回は自治体関係者や周辺議会の関係者などが視察に訪れ、また議員も積極的に宣伝するため、満員御礼となって活気あふれる会となることが多いです。しかし、回を重ねるごとに参加する住民はだんだん減少し、参加者が固定されがちです。
 声の大きな一部の住民の意見ばかり拝聴することに嫌気が差したある議会では、無作為抽出で対象となった住民に招待状を郵送し、参加者に偏りが生じないようにして報告会を開催しましたが、それによって参加する住民が激減し、説明する議員が10人以上いるのに対し、住民が数人しかいないという笑えない事態が生じました。こうなると、自由闊達(かったつ)な意見交換などできようもありません。意地の悪い見方をすると、日時を指定した全く興味のない会の招待状が勝手に送られてきて「来い」というものですから、上から目線だと思われてもおかしくありません。それならば、相手が集まっている場所に議会がお邪魔するのはどうでしょうか。例えば子育て広場を会場にして、そこにたまたま来ている若い子育て層を含めてターゲットとするとか、自治会の会議があるときにそこで開催させてもらうなど、「わざわざ報告会を目がけては行かないけれど、たまたまやっているならのぞいてみようかな」という層を取り込むなどの手法が考えられます。

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