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2017.06.26 議会事務局

第25回 自治体議会の基本、「会議原則」

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議案や請願・陳情に結論を出さないと、どうなるの?
(会期不継続の原則)

男性

 議案や請願・陳情はその会期のうちに結論を出すものですが、仮に議決しなければ、どうなるでしょうか。審議未了、廃案となり、次の会期で取り上げられることはありません(自治法119条)。このため、住民からの請願・陳情のうち、「採択はできないけれど、不採択にすると角が立つので悩むようなもの」は、政治的事情から、採択も不採択もせず審議未了で済ませることがあります。専門的には「否決・不採択」と「廃案」は違いますが、提出した側から見れば、結局、自分の希望が通らないのは同じです。むしろ「廃案」は各議員が明確に自分の立場を示さないまま終わるので、一層もやもやとした感じを残すともいえます。
 どうしても会期中に結論が出せない場合に、継続審査の手続をしたもののみ次の会期でも取り上げるという例外的な取扱いがあります。ただ、これも毎回、継続審査で引き延ばした揚げ句、議員の任期満了で審議未了、廃案となれば、結論を出さないのは同じです。

討論で発言した後、次の発言者に反論するのはダメなの?
(討論一人一回の原則)

女性

 本会議で自分が討論の発言を終えた後、次に演壇に立った逆の立場の議員の発言の中身に反論したくなったことはありませんか。一般的イメージで、「討論」は「議論を何度もやり取りして戦わせるディベートのようなもの」と考えると、反論できて当然だと思うかもしれません。ところが、議会の常識は違います。討論での発言は、反対でも賛成でも1人1回しかできません。これは法律にも標準会議規則にも規定されていませんが、当然のこととされています。反論を認めると、際限がなくなって冷静な議論ができなくなってしまうというのが理由です。
 このため、1人1回しか発言できないことを理解した上で、自身の発言のときに言いたいことは漏れなく言い尽くすしかありません。どうしても反論したい議員は、絶妙な間でヤジを飛ばしたりします。ただ、これは不規則発言で、本来やってはいけない行為なので、お勧めはできません。

 いかがでしたか? 原則には当然のものもあれば首をかしげるものもあるかと思います。原則はあくまで原則。根拠や背景を理解しつつ、皆さんなりの路線を模索するのも議会改革の新たな道なのかもしれません、次回は「議員定数と議員報酬」について取り上げます。

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