2017.06.26 議会事務局
第25回 自治体議会の基本、「会議原則」
議会事務局実務研究会 大島俊也
自治体議員の皆様、こんにちは。今回は、「会議原則」についてです。必ずといってよいほど解説書には書いてある「自治体議会の基本原則」ですが、意外と知らないことがあるかもしれません。そんな今さら聞けない疑問に答えてみたいと思います。
会議原則って、そもそも何ですか?

自治体議会についての共通の決まり事とされているものです。多くは地方自治法(以下「自治法」といいます)や会議規則に定められていますが、規定がなくても守るべきとされているものもあります。
そんな会議規則の主なものは、次のとおりです。
① 議事公開の原則(本会議は公開するという原則)
② 定足数の原則(会議を開いて議決するのに必要な最小限の出席議員数についての原則)
③ 議員平等の原則(議員は一人ひとりが完全に平等で対等であるという原則)
④ 過半数議決の原則(可否の採決は半数より多い数で決めるという原則)
⑤ 一事不再議の原則(一度議決した案件は同じ会期中は再び議題にできないという原則)
⑥ 現状維持の原則(採決で可否同数のときは現状を維持する方向に決定すべきという原則)
⑦ 会期不継続の原則(会期中に議決しなかった案件は次の会期に継続しないという原則)
このほかにも、討論一人一回の原則、可とする方を諮る原則、議案不可分の原則などがあります。会議原則とひとくくりにいっても、その中身や拘束力はそれぞれで異なります。
本会議や委員会の途中に席から離れてはダメなの?
(定足数の原則)

議員定数の半数以上が出席しなければ会議は開けません(自治法113条)。最初に半数以上出席していても、途中で席を離れる議員が続出して半数を切れば会議は続けられなくなります。やむを得ない理由で席を離れることがあるとしても、授業中に先生が「トイレに行きたくなったら手を挙げて」と言った途端、生徒の半数以上が手を挙げたら、さすがに先生も怒るでしょう。本会議は出席人数が多いので定足数を下回ることはあまりありませんが、注意が必要なのは委員会です。ちょっとした用事で席を離れる議員が重なると、一瞬、定足数を下回ることも起こり得ます。こんなことがないよう、議会事務局の職員は議員の皆さんの離席を常にチェックしているものです。
特に採決のタイミングには注意してください。採決の際に定足数を下回っていたら、その議決は無効になってしまいます。定足数の問題がなかったとしても、自身の立場を明らかにできません。そろそろ採決に入りそうなときには、席を離れないようにしましょう。