2017.02.10 公職選挙法
第1回 事前運動の禁止と限界
5 判例と事例検討から見る「事前運動」のポイント
これまで、どのような場合が「事前運動」とされるか事例をいくつか見てきましたが、その中で「~の場合は」といった留保表現が多くなっています。
というのも、4要件のうち③については、目的という内心に関わるものであるため、外見上明らかな場合を除いて③の目的があったかどうかを判断することが困難なのです。
そのため、その行為の行われた相手や時期、方法その他の具体的な事情によって推認して判定せざるを得ないのです。
このことは判例(最判昭和44年3月18日刑集23巻3号179頁)でもいわれており、事前運動かどうかの判定をするのに苦労する原因でもあります。
そこで、これまで検討してきたことを踏まえ、筆者として実務的にどのようなことが事前運動とされる危険性が高いのか、どうやって見極めたらよいのかのポイントを以下のように考えてみました。
6 次回は
事前運動の禁止について、イメージはつかめましたでしょうか。
次回は読者の皆様も関心が深いと思われる政治活動における寄附の禁止について解説していきます。