地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2017.01.25 仕事術

第23回 調査研究の視点(2)

LINEで送る

 次回は、本連載のまとめとなる。今までの連載を振り返りつつ、本連載を締めくくりたい。

●今回のポイント
(1)定量的調査には、アンケート調査と統計データ分析調査がある。
(2)統計データを比較するときは、サイズをそろえないと正しい比較にはならない。
(3)統計データを活用するときは、定義を確認する必要がある。

●筆者が勧める視察先
 筆者が勧める視察先ではないが、現在、筆者が関心を持っている図書館行政について記したい(年末年始と現場に関わる機会が少なかったため、先進事例や成功事例の収集ができなかった)。
 図書館の存在を地域振興(地域活性化)やコミュニティ形成として活用できないか、と考えている。2017年1月中旬のマスコミ各紙の報道に、図書館に関する記事があった。日本図書館協会が実施した初の全国調査によると、公立図書館で地域振興やまちづくりを目的とした事業を行う自治体の数が、少なくとも497に上ることが明らかになった。同調査は、2016年8月に実施し、図書館を設置する全国1,361の都道府県と市区町村にアンケートを送り、1,049の自治体から回答を得た。同調査により、図書館をまちづくりの核に据えて地域活性化を目指す自治体が拡大している様子が明らかになった。
 また、公立図書館に国立国会図書館のような調査機能を持たせられないかとも考えている。国会図書館には、国会の諸活動を調査・情報提供の面で補佐するという重要な役割がある。そのため、国会議員や国会関係者からの依頼に応じて各種の調査を行い、立法情報を提供する「立法調査サービス」を実施している。この国会図書館を参考に、自治体職員や議会議員からの依頼に応じた調査を公立図書館が担うというイメージである。
 ここで言及したことに近いことは、豊中市(大阪府)ですでに実施されている。豊中市の図書館が、自治体の各課係の依頼に基づいて、調査を行っている。
 今年中に、図書館行政のあり方について検討し、機会を見つけて発表したいと思っている。

●推薦する図書
 ・牧瀬稔『「型」からスラスラ書ける あなたのまちの政策条例』第一法規(2017年)
 今回も筆者が執筆している図書の紹介である。2017年2月に出版予定である。政策条例には一定の「型」がある。その型を紹介している。同書で紹介する型を押さえれば、条例の存在が身近に感じられるだろう。
 条例は住民生活に密接に関わるため、住民にとって身近でなくてはいけない。しかし、条例は遠くにあると感じる住民が多い。そして条例の立案に取り組む人も、条例を遠くに捉えてしまう傾向が少なからずある。その意識を打破することを目的に本書は執筆している。
 本連載において、調査研究の手法を2回にわたって紹介してきた。この調査研究の手法も、同書において執筆している。もちろん、調査研究の手法だけに限らず、条例立案に必要なことを明記している。条例に関心を持った方、また条例立案に取り組もうと考えている方に同書を手にしていただけると幸いである。

この記事の著者

議員 NAVI

今日は何の日?

2025年 616

新潟地震(震度6)起こる(昭和39年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る