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2017.01.25 政務活動費

第51回 政務活動費による会費の支出の是非

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明治大学政治経済学部講師/株式会社地方議会総合研究所所長 廣瀬和彦

政務活動費による会費の支出の是非

Q政務活動費における研修費では会費を支出することが可能であると解されるが、どのような団体に対する会費を政務活動費により支出することが可能か。

A 政務活動費の使途基準における費目の1つである研修費とは、会派又は議員が研修会を開催するために必要な経費、団体等が開催する研修会の参加に要する経費をいい、例として講師謝金、会場費、交通費、宿泊費、文書通信費、参加費等をいう。それゆえ、団体等に対する会費を政務活動費より支出することは想定されている。
 ここで政務活動費の支出が可能な会費かどうかは、当該団体の会費が政務活動と合理的な関連性があるかどうかで判断する必要がある。
 なお、平成23年8月24日東京高裁における判決においては、各種の会費を判断する上で各種団体が公共性ないし公益性が高く、会員になることによって市政に関する有用な情報収集及び意見交換が見込まれるかどうかを1つの判断基準としている。
 さて、政務活動費による支出が可能かどうかを、①私的団体に対する年会費、②議員連盟等への会費に分けて判断していきたい。
① 私的団体に対する年会費の支出
 私的団体に対する年会費の支出については、平成27年4月15日名古屋高裁判決がある。
 すなわち、地方議会議員の調査活動は広範に及ぶものであり、議員が特定の団体に年会費等を支払ってその活動に参加することにより、有意義な調査活動が行われることは想定される。
 それゆえ、当該団体の活動内容や意見交換会・研究会等の内容が議員としての当該地方公共団体の事務及び地方行財政に関する調査研究に資するものであれば、調査研究費、研修費又は会議費として、その会費等の支払のために政務活動費を支出することは可能である。なお、支出先の団体がその名称からして専ら議員の立場を離れた個人的資格において参加すべきものであることが明白である場合は、政務活動費からの支出は認められない。
 そうすると、町会費は政務活動との関連性はなく、個人的な支出であると認められることから、政務活動費からの支出は認められないとされた。
 しかし、具体的な会費として、脳卒中リハビリテーション協会・鳥獣被害防止対策連絡会・山林協会・グランドゴルフ協会・政和会・金沢駐屯地協力会・北国新聞政経懇話会・体育協会・警察音楽隊旧友会・文化財を守る会・水源の森づくり協会・日中友好協会・中学校教育振興会・中央倫理法人会・ラグビーフットボール協会・話し方研究会・柔道協会・カヌー協会・ウオーキング協会・郷土史学会・自衛隊友の会・日本会議・大太鼓連盟・釣り団体協議会・救助犬協会・町村長OB会・商店街振興組合・北鉄退職者の会・憲法を守る会・同和教育研究協議会に対する会費については、政務活動との関連性があるとして支出が認められた。

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