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2016.12.26 仕事術

第22回 調査研究の視点(1)

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⑥ 社会実験調査
 社会実験調査とは、新たな制度や技術などを伴う施策や事業を導入する際、場所と期間を限定して試行することで、有効性を検証し問題を把握する手法である。そして、当該施策や事業の導入を決定するか見送るかを判断する材料になる。この社会実験調査は、期間や地域は限定されるが、施策や事業を実施することにより予測される実態を把握する意味で効用は大きいものがある。
 議会は執行権を持っていないため、実際的には大がかりな社会実験調査を実施することは難しいかもしれないが、社会実験調査を執行機関に求めていくことはできるだろう。

⑦ 研究会・委員会等
 研究会や委員会等とは、ある目的を達成するために設けられた会合である(ここでの委員会は、地方自治法第6章第5節の議会における「委員会」ではない)。具体的には、有識者や学識者等を集めて、その会で意見交換や議論をして一定の方向性を提示してもらうことを意味している。有識者や学識者等を集めたグループ・インタビューと捉えてもよい。
 言い方は悪いが、研究会や委員会等は、提案しようとする政策に箔(はく)をつける意味もある。政策づくりには、しっかりと有識者や学識者等から意見を得て、政策の理論的背景を明確にしていくことが求められる。

⑧ プロジェクトチーム
 地方自治体におけるプロジェクトチームとは、「(自治体)職員が所属している組織の枠を飛び越え、横のつながりを基調とし、当該問題を解決するために必要な事項を調査研究の過程を通して、企画立案を行う時限的な組織」と定義できる。担当部門だけではなく、様々な部門が関わることにより、複眼思考が達成される。その意味で積極的にプロジェクトチームを設置した方がよいだろう。
 戸田市が設置した自治体シンクタンクである「戸田市政策研究所」には、プロジェクトチームとワーキングチームがある。同研究所におけるプロジェクトチームとは、「分野横断的な行政課題に対し、効果的な解決策等の研究を進めるため、当該課題に関連する知識を有した職員で構成する政策研究チーム」と定義している。プロジェクトメンバーは、プロジェクトチームを構成し、研究目的に対する調査、分析、結論付けまでの一連を主体的に実施し、テーマに対する研究成果を導出する役割を担っている。
 一方でワーキングチームとは、「分野横断的な行政課題に対する効果的な解決策等の研究のうち、当該研究を総括する主体からの指示に基づき、関連する基礎調査や作業レベルの活動を行う調査作業チーム」と捉えている。ワーキングメンバーは、ワーキングチームを構成し、研究目的に対する基礎的、作業的な調査研究を実施し決定機関へ結果を提出することが課されている。戸田市のようにプロジェクトチームとワーキングチームの役割を明確にすることも一案である。

 ここまでが定性的調査になる。次回は定量的調査を紹介する。

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