地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2016.12.26 仕事術

第22回 調査研究の視点(1)

LINEで送る

一般財団法人地域開発研究所 牧瀬稔

 本連載の対象としてきた「視察」は、定性的調査である。定性的調査とは、対象の質に着目する調査であり、質的調査ともいわれる。あくまでも「質」に焦点を絞る調査である。
 一方で定量的調査もある。定量的調査とは、対象の量的な側面に注目し、数値を用いた記述や分析を伴う調査である。この場合は、字のごとく「量」に重きを置いた調査である。調査研究(政策づくり)では、定性的調査と定量的調査の双方を活用していく必要がある。
 筆者の経験から調査研究(政策づくり)の手法は図のように類型化することができる。図はあくまでも筆者の考え方であり、調査研究の捉え方は人それぞれであるだろう。そのため、様々な類型があると考えられる。当然、図以外の調査研究の手法もある。今回は、図に示した定性的調査を紹介する。

図 調査研究の具体的な手法――定性的調査と定量的調査の種類図 調査研究の具体的な手法――定性的調査と定量的調査の種類

 今回を含めてあと3回ほど、視察を含めた調査研究の手法を紹介して、本連載を締めくくりたい。

定性的調査

① 文献調査・新聞記事調査・ウェブ検索調査等
 文献調査は、先行する文献を調べることにより、これまでどのような調査研究が実施されてきたかをチェックし、最近の動向を確認することである。ここでいう文献とは、図書・論文・報告書などを指す。政策づくりのためには、多くの文献に当たっていく必要がある。
 新聞記事調査とは、字のごとく新聞記事の調査である。例えば、日本経済新聞記事データベースの「日経テレコン21」などを活用して、過去の新聞記事から、該当する記事を押さえていく。ただし、日経テレコン21は有料になる。筆者は@niftyの会員であるため「新聞・雑誌記事横断検索」というサービスを活用することが多い。同サービスも有料である。
 そしてウェブ検索調査とは、インターネットを活用して関連情報を収集していくことを意味する。表は筆者がよく活用するウェブサイトである。表に挙げたウェブサイトからデータを収集したり、分析したりするなど活用している。

表 筆者お勧めの調査研究に役立つウェブサイト表 筆者お勧めの調査研究に役立つウェブサイト

 これらの調査は、「情報収集」が中心になる。注意すべきことは、情報収集は「手段」であり「目的」ではないということである。手段と目的を履き違えないことが大切である。また、ある程度、情報を収集したら、次の段階に進むことも大切である。すなわち「集めてきた情報の中から発想していく」ことが重要である。

この記事の著者

議員 NAVI

今日は何の日?

2025年 615

東海道線特急運転開始(大正元年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る