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2016.10.25 議会事務局

第17回 よくある住民から議員への批判

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視察なんて行く意味があるのか?

oldman

 議員が行く視察についても「視察という名の観光旅行ではないのか」との住民の根強い疑念があります。「視察報告書がインターネットからのコピー&ペーストだけでできていた」とか「夜の宴会に呼んだコンパニオン代を政務活動費から支出していた」など視察に絡む不祥事は枚挙にいとまがありません。
 本当に視察が観光旅行化しているのかどうかについてはここでは触れませんが、視察内容と視察報告書についてはきちんとしておく必要があります。例えば、規模が全く違う自治体の再開発計画を視察しに行くことが、本当にその自治体の役に立つのでしょうか。また、「〇〇という施設に行きたい」がために、どう見てもその常任委員会の管轄外であるにもかかわらず、無理に理由をこじつけて視察してしまうこともあります。行きたい場所を先に決めてしまい、その後視察できそうな事業を行っている自治体を探すという方法では、どこかで不具合が生じてしまうものです。
 また、視察の報告書は意外と見る人がいるので、普段からきちんとしておかないと何かあったときに足元をすくわれかねません。実際「議員の視察報告書を見たい」と議会事務局に来る住民は一定数いるのです。インターネットで事前に調べた内容を一部引用するのは問題ありませんが、ほとんどがコピー&ペーストだったりすると「わざわざ視察しなくてもインターネットで調べるだけで十分だったのではないか」と視察の意義を全否定されかねません。必要な視察まで疑われてはかないませんので、少なくとも目をつけられやすい部分についてはきちんとしておく必要があります。

議員への連絡方法が分からない

oldwoman

 議会のホームページには各議員の連絡先が記載されており、住民は直接議員に連絡をとるのが通常と思っていたら、議員の連絡先を非公開としている議会がいまだ存在しているとのことで驚きました。議員は公人であり、住所や電話番号等の連絡先を公開するのが原則です。非公開だとそれこそ「何をやっているか分からない。請願を出したくても連絡や相談もできない」、「本当はほかの市に住んでいるのではないか」という批判に反論できません。ただ、連絡先を公開していても「議員へのアポイントの方法が分からない」という住民からの相談が事務局によくあります。「いきなり電話しても(家に行っても)いいの?」とか「電話しても出てくれない(つながらない)」、「いきなり家に行くのは失礼ではないか」などの相談を受けることがありました。
 一般の住民が議員に連絡するということは、実はかなりハードルが高いのです。連絡用メールアドレスを明記するとか、特定曜日・時間に会派室に必ずいるようにして、それを公表するなど、住民が連絡・相談しやすいよう、多くのチャンネルを持てるようにする必要があるのではないでしょうか。
 なお、若い女性議員を中心に、ストーカー被害を避けるために連絡先を議会事務局にしたい、あるいは非公開にしたいとの申出があることがあります。特定の議員に対し議会事務局が恒常的に秘書的な業務を行うというのはいかがなものかと思いますが、少なくともただ非公開にして終わりということは避けるべきであり、連絡用の携帯電話を持ってもらうとか自宅以外の事務所を連絡先にする等、何らかの手段で住民が連絡できるようにすべきです。

 いかがでしたか? 今回は実際に議会事務局で耳にした議員への批判について取り上げました。結局は議員活動の不明瞭さが議員への批判につながっています。活動をきちんと公開し、必要な支出に対しては説明ができるようにしておけば、根拠のない批判は続くものではありません。さて、次回は少数会派を取り上げます。少数会派ゆえの悩みどころについて紹介できればと考えています。

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