地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2016.10.25 議会事務局

第17回 よくある住民から議員への批判

LINEで送る

議員の数が多すぎる!

youngman

 議員報酬等と並んで批判が多いのが、議員の数についてです。平成23年に地方自治法が改正されるまでは、議員定数は自治体の人口ごとにその上限数が決められていました。そのため、事務局に寄せられる「議員の数が多すぎるのではないか」などとの指摘には「法律で数が決まっているので、それに基づいて議員数を定めています」などと説明することで一定のご理解をいただいていました。しかし、法改正により議員定数の規定が撤廃され、各自治体で自由に決めることができるようになり、上記のような言い訳は鮮度が落ちているのが現状です。
 さて、議員定数といえば、選挙前になると定数削減を模索する動きが見られます。選挙地盤が強い会派は定数削減を主張し、逆に定数削減による議席数減少が予想される会派は、定数削減に反対する代わりに議員報酬の削減を提案することがあります。定数削減により削減できる議員報酬額と同じ額が削減できるような提案をして、住民の批判をかわすのが狙いです。しかし、本来であれば、地方自治法改正を受け各議会で議員定数をどうするか議論を行い、住民に説明ができる議員定数をきちんと決定しておけば、選挙対策としての定数削減の議論は必要なくなるのです。ある議会では、選挙前に定数削減の提案を受け、議員定数についての議論を続け、常任委員会が機能する最小限の人数を6人として議員定数を決定し、委員会の数×6人+議長で25人と定まりました。最初は、選挙対策による定数削減の提案であったのが、そこから議会での議論につながり、議会の総意として議員定数が結論付けられたのです。政治に無関心な住民による根拠のない議員数への批判は、議員数をいくら減らしても続きます。そのような批判があったときに、きちんと説明できるよう議員定数に関する議論は各議会で行う必要があります。

議員が何をやっているのか分からない

youngwoman

 「○○議員に会いたい」。事務局にいるとアポなしの住民が来庁されることが多くあります。しかし、定例会中以外は議会にほとんど顔を見せない議員は多くいるので、議員の在庁ランプの多くが消えているのを見て「全然来ていないじゃないか。普段は何も仕事をしていないのだな」と批判される方が結構います。毎日会派室に朝から晩までいる議員の方がいろいろと問題があるのではないかと個人的には思うのですが、住民には分かりません。
 確かに議会閉会中の議員の仕事については分かりにくさもあり、またそれをきちんと情報公開していない議員が多いため、批判されてしまうのはある程度仕方がないことかとも思います。事務局の職員から見ても、普段の活動がよく分からない議員も結構います。
 しかし、毎日の活動をブログ等で報告している議員によると、土日も関係なく、住民対応や自己研さんに取り組んでいることが分かります。こんなに一生懸命やっていても「議員」というひとくくりで無責任な批判を受けてしまうのは不幸なことです。ただ「議員が何をやっているのか分からない」という批判に対し、活動内容をきちんと説明できるのは議員自身しかいません。自身の後援会にのみニュースレターを配付するのではなく、インターネットを活用したり不特定多数の住民を対象とした報告会を開いたりするなど、自身の議員活動について情報公開を行うことも、今後の自治体議員としての責務ではないでしょうか。

この記事の著者

議員 NAVI

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る