2016.07.25 議会事務局
第14回 議長というお仕事
議長は採決に参加できないの?

議長は公平に会議を仕切るのが役目ですから、採決には参加できません。議長が一方の意見を支持すると公平な議会運営が疑われるからです。ただ、賛否が同数で、どちらかに決める必要がある場合は議長が決めます。
公平であるように、議会によっては、議長は委員会に入らないとか会派から離脱するなどと決めていたりします。ただ、意地悪な言い方をすれば、委員会や会派に入らなければ、絶対にひいきできないかというと、そうでもありません。大会派出身の議長が多いこともあってか、少数会派の議員が差別されたと議長に抗議したという話も聞きます。それが本当に差別かはともかく、あらぬ疑いを持たれないように注意することは必要でしょう。
ところで、議長は採決に参加できないので、議会広報などでよく見かける各議員の賛否の一覧に賛否が表示されません。事情を知っている人はともかく、知らない人からすると議長を務めている議員の考えが分からず、もやもやすることもあるのではないでしょうか。議長を4年間務めれば、議会によっては本会議でも委員会でも質問せず賛否も表明しないで議員の任期が終わってしまいます。これで有権者に一議員として評価されるのは困るのでは、と思うのは私だけでしょうか。そのためか、議長を辞任して一議員に戻った議員の方が、「やっと自由に発言できるよ」と喜ぶなんてこともあるようです。
副議長の仕事って、何ですか?

議長は議会の代表ですが、副議長はどんな立場でしょうか。市長と副市長、社長と副社長などと同じようなイメージを持つかもしれませんが、副議長は、あくまで議長が事情により議長の仕事ができないときに代行する人で、それ以外のときは他の議員と同じです。議長が病気やトイレで本会議の進行ができないときに、副議長が代わって議長の仕事をします。つまり、議長がその場にいるときには、法律上は副議長の役割はありません。
しかし、実際はいつでも副議長が議長と代われるように、議長が関わる様々な情報を副議長も共有するようにしているものです。情報共有を徹底するために議会運営の決裁を議長だけでなく副議長にも見てもらう議会もあります。ただ、議長と違い、ほぼ毎日登庁が必要なわけではないためか、副議長室があってもあまり使われていないところも多いようです。
いかがでしたか? 次回は「議会のICT化」シリーズの2回目として、主にタブレット端末の導入について取り上げます。最先端の機器を使いこなし、ペーパーレス化だけでなく様々なことに取り組む……そんなイメージですが、現実はどうかご紹介する予定です。