2016.06.27 ICT活用・DX
第13回 議会のICT化~見せる? 魅せる? 議会中継~
不適切発言があった場合、中継配信はどうなるの?

リアルタイムで中継されている場合、不適切な発言や行為などは基本的にすべて配信されます。しかし、多くの議会では録画配信もしています。録画配信の場合、不適切な発言や発言の取消しなどがあった場合、どのように対応するのでしょうか。
通常、インターネット中継における発言は、正式な記録ではない旨が明記されており、そこで配信された発言内容がそのまま会議録に載ることはありません。そのため、不適切発言等があった場合、どのような配信方法にするかは各議会で様々です。「正式な発言ではない」旨を明記しているので、何も手を加えずそのまま配信している議会もあれば、不適切発言部分の音声を消している議会もあります。音声を消す作業が大変なため、あまりにもひどい発言の場合のみ音声を消す対応をするという議会もあります。また、無料動画配信サイトのユーストリームで録画配信をしている議会では、不適切発言だけを切り取ることが技術的に大変なため、その会議の配信自体を取りやめたなんてこともありました。このように録画配信については様々な配信方法があるので、導入前に決定しておいた方が後々になってもめないと思います。
傍聴者から「自分を映すな」とクレームがあったのですが……

インターネット中継を行っていると、カメラのアングルによっては傍聴席が映ることがあります。そのため、傍聴者から「中継に映りたくない」とクレームがくることがあります。傍聴席を映す必要はありませんので、傍聴席が映らないようにカメラのアングルを決定するのが原則です。しかし、どうやっても傍聴席の一部が映り込んでしまうことがあります。そのため、傍聴の案内をする際に注意をしたり、映り込んでしまう席については、それが分かるように表示したりするなどの配慮が絶対に必要です。後から傍聴者にモザイク処理等を行うという考えは、その手間を考えるとあまり現実的ではありません。
いかがでしたか? 今回はインターネット議会中継を中心に議会のICT化について取り上げました。すでに議会中継をされている議会の議員の皆様は、ぜひ自分の中継をもう一度確認していただき「映り方」の研究をしてみませんか? 原稿を読むことに一生懸命になり下を向いたままかどうかだけでなく、顔を上げたときの位置や表情などを研究していただくとずいぶん印象が変わるものです。さて、次回は知っていそうで実は知らないことも多い「議長」について取り上げたいと思います。