2016.05.25 仕事術
第15回 文章作成のポイント(1)
●今回のポイント
(1)読者を意識して、書いた文章が「どのように読まれているか」を常に考える。
(2)中学生でも理解できる平明な文章を心がける。
(3)文章構成は「起承転結」ではなく「転」を除いて「起承結」とする。
(4)文章は抽象的ではなく具体的に書く。
●筆者が勧める視察先
議会報告会のよい事例を紹介する。
昨今、議会報告会を実施する議会が増えている。その中で所期の目的どおりに進まない事例が出ているようだ。議会報告会がうまく進まない理由は、ほぼ共通しており、参加者が固定化していることが挙げられる。固定化した参加者の中でも、発言する市民がさらに決まっている。しかも質問が長時間化し、限られた時間の中で多くの市民が発言できない。質問の実態は、苦情や不満、陳情であり、中には高圧的な発言も登場する。その結果、議会に対する建設的な報告会とはならず、市政全般の相談(実は相談ではなく苦情や不満、陳情)になってしまっている。また議会報告会の中には、議会と市民が対立してしまい、結果、市民の議会不信を招いてしまう残念な議会報告会もある。特に「怒る市民、対応する議員」という状況がよく見られる。
一方で、議会報告会に参加した市民に加え、議員もほぼ満足している事例もある(100%全員が満足することはなかなか難しい)。それは鎌倉市議会と藤沢市議会である。両市議会の特徴は、議会報告会にワークショップ(ワールドカフェ方式)を取り入れた点である。両市は隣接しているため、午前に藤沢市議会を、午後に鎌倉市議会を視察したらどうだろうか(もちろん先に鎌倉市議会、その後に藤沢市議会でもよいと思う)。
・鎌倉市議会「オープン・ミーティング」
これは、議会基本条例制定に向けて開催した議会報告会である。ワールドカフェ方式を採用した。参加者はテーブルごとに話合いを行い、席を替えながら意見交換していく。2日間に鎌倉市内5か所で開催された。どの会場でも市民と議員による活発な意見交換が行われ、盛況のうちに終了した。
・藤沢市議会「カフェトークふじさわ」
市民と議員が対話形式で意見交換する「カフェトークふじさわ」を開催した。議会報告会の一環であり、テーマは「投票率の向上」であった。全36議員が午前・午後の部のいずれかに参加し、意見交換を実施した。アンケート結果によると、参加者の9割以上が満足して終了している。
●推薦する図書
・間川清『裁判官・非常識な判決48選』幻冬舎新書(2016年)
同書で紹介している判決の48選の全てが非常識というわけではないと思う。しかし、比較的一般人の考えとかけ離れている判決が記されている(少なくとも私の考えとは大きく異なる判決が多くある)。
面白い判決の紹介だけではなく、基本的な法的思考の捉え方を勉強するには、とてもいい図書と思われる。