2016.05.25 政務活動費
第12回 生かすも殺すも自分次第? 政務活動費
領収書はホームページで公表した方がいいの?

一部の自治体議会では、政務活動費に関係する1円以上の領収書を全てホームページで公表しているところもあり、これが先進的だと話題にされたりしています。
隠すような内容じゃなければ公表した方がいいに決まっているかというと、そう単純でもありません。議会図書室などで領収書を閲覧できるようにするため、全てのコピーをとるだけでも実は相当な事務量です。それが事務局職員の本来業務だといわれればそれまでですし、何らかの形で領収書を公表するのは情報公開の姿勢として行うべきでしょう。しかし、様々な大量の領収書を誰が電子データ化し、どこのサーバーを使って公表するか、それらにかかる経費がどれほどになるか。ホームページでまで公表するのは手間なだけでなく、そのためにサーバーを維持する費用も発生します。
領収書の一枚一枚に書かれた矛盾点を見つけ出し、正していこうとする方の活動を否定するつもりは毛頭ありませんし、そのために領収書を閲覧できるようにすることは必要でしょう。問題は、1円以上の領収書を全てホームページに掲載することがベストかどうかです。住民にとって必要な情報は、むしろ各議員がどんな活動をしているかではないでしょうか。具体的な使途の項目別の一覧表や、政務活動費を使った結果、どんな効果があったのかが分かるような、視察やアンケート調査の報告書などの公表こそ検討したいところです。
いかがでしたか? 次回は「議会のICT化」について取り上げます。タブレット端末を駆使して時代の最先端を行く電子議会、そんなイメージがある「議会のICT化」についての疑問にお答えする予定です。