2016.04.25 議会事務局
第11回 議会基本条例をつくったらどうなるの?
議会基本条例をつくったら次回の選挙に有利ですか?

投票行動を統計学的に検討したわけではありませんが、実際の得票率や様々な議会関係者の話などを総合して想像するに、残念ながらあまり相関性はないと考えます。「議会基本条例」に対する住民の認知度は非常に低く、さらにいえば、議会基本条例を制定している自治体職員が条例をどれだけ理解しているかについても怪しいものです。一部の住民には大変支持されますが、正直選挙結果に反映されるものにはなり得ないのではないでしょうか。また、選挙というものを考えると、議会活動全般について優先すべき事項がいろいろと変わってしまうと思います。基本条例の制定とは切り離して考えることが必要かと思います。
すでに議会基本条例が制定されていました

議会基本条例がすでに制定されている議会に当選した新人議員の方も多いと思います。議会基本条例を最高規範と定めている場合、議会における活動は常に基本条例と照らす必要があり、大変重要な条例であることはご理解いただいているところと思います。
さて、初当選した後、まずは議会基本条例についての説明が議会事務局や議長などからあったでしょうか。早い段階で説明があった方はおめでとうございます。おそらくは議会基本条例がきちんと生きている議会なのではないかと思います。
他方、いまだに満足な説明がない議会の議員の皆さん、まずは議会基本条例をよく読んでみてください。条文に書かれている内容と現実の議会運営に大きな齟齬(そご)はありませんか? 700以上もの議会で制定されている条例ですので、内容は様々です。また、実際の議会運営への生かし方についても議会によって違いがあるようです。しかし、いわゆるニセ議会基本条例とか魂の入っていない作文条例などと揶揄されるような条例であったとしても、議会で可決された立派な条例です。それを全く無視した議会運営は条例違反となりますが、実際はいかがでしょうか。例えば、「議会図書室の充実」が条文にある場合、議会図書室の状況を確認してみてください。物置になっていませんか? 「議会報告会を定例会終了後1か月以内に行う」などと具体的な記述となっている場合、それを無視した活動はしていないと思いますが、「議会報告会を必要に応じて行う」とある場合、その必要性をどのように判断していますか? 常にアンテナを高く張って確認しているでしょうか。
条例を制定するまでは非常に盛り上がり、いざ制定してしまったら、その活気が薄らぎ停滞してしまうことは多くあることです。新人議員などが議会基本条例の確認作業を行うことにより、再活性化の起爆剤となることを期待したいものです。