2016.03.25 議会事務局
第10回 議会基本条例ってどうやってつくる?
条例案をつくるに当たり、具体的な道筋は?

議会基本条例が執行部提案の議案で提出されたという事例はさすがに聞いたことがありません。多くの議会で行われている手法としては、やはり議会改革の特別委員会を設置してその中で条例案を作成しています。ただ具体的な作成方法は議会によって様々で、一概にはいえません。本来は自分の議会をどのような議会にしたいのか、まずそれらを話し合い、その理想の議会を具現化するために必要なことを条文に落とし込むというのが王道です。
しかし、実際は先進的な議会基本条例をいくつか研究し、自分の議会に取り入れたい内容を考えながら、条例案を整えていくというやり方が多いようです。その中で「議会報告会は定例会終了後1か月以内に必ず行う」とするのか「議会報告会を必要に応じて行う」とするのかなど様々な議論がなされます。
素案が作成されたら、パブリックコメントの募集や説明会を開くなどして、広く市民の意見を聞き、その上で議案として上程することとなります。なお、前述のとおり「市民に開かれた議会」を基本理念とした議会基本条例の制定過程が市民に公開されなかった議会は「ブラックユーモアだ」とまで批判され、その後市民有志による「市議会を語る会」の結成につながりました。ある意味、市民の議会に対する興味を喚起できたことになりますが、当初の意図とはかけ離れたものだと思います。せっかくの条例が出鼻をくじかれてはつまらないので、基本理念と乖離(かいり)するようなつくり方はしないよう留意すべきです。
いかがでしたか? 議会改革といえば議会基本条例といわれるように、議会改革には不可欠なアイテムと化しています。そのため議会基本条例がない議会は議会改革に後ろ向きの議会と思われてしまいがちです。さて、実際に条例を制定したらどうなるのかなど、まだまだ話の続きはあります。今回掲載しきれなかった内容について、次回も続けて議会基本条例を取り上げていきたいと思います。