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2016.03.25 議会事務局

第10回 議会基本条例ってどうやってつくる?

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自分の議会はまだ制定していないのですが……

女性

 議会基本条例は全国的に多くの自治体議会で制定されていますが、それでも半数以上の議会ではまだありません。もしも議会基本条例をつくりたいと考えているならば、最適なタイミングはやはり改選が行われた後がベストです。議論を重ねている途中で改選が挟まると、その後のメンバーで機運が高まらず、立ち消えになってしまうこともあります。
 ただ、話合いの期間は議会によって全く異なります。多くの議会は2年から3年程度の時間をかけて条例を制定しているようですが、千葉県流山市議会のように特別委員会の設置からわずか1年で条例案を可決している議会もあります。ただし、流山市議会では1年間に21回の議会基本条例策定特別委員会を開催し、関連する協議の時間を含めると160時間もの時間を費やしたとのことですので、かなり集中して取り組んだようです。
 なお、議会基本条例が自分の議会に必要ないと考えれば無理に制定する必要はありません。議会基本条例は議会改革に非常に有用で分かりやすいツールのひとつではありますが、ないからといって議会の価値が下がるわけではありません。そもそも定めている内容は基本的に会議規則の改正で実現できるものです。ただ、議会基本条例を制定していると、一定の議会改革を行っているとの認識が世間からされやすくなるのも事実です。また、議会改革度を点数化してランキングを行う各種調査では、議会基本条例を制定しているとポイントが加算されることが多いようですので、対外的なアピールのしやすさを考えると会議規則の改正よりも議会基本条例を制定する方が効果的です。

議会改革の取組をしてから制定するものなのでしょうか?

男性

 議会基本条例には明確な定義はなく、記載すべき事項も決まっていません。そのため各議会の実情に合わせて制定することになります。全国に先駆けて制定した栗山町議会や三重県議会の議会基本条例は、すでに行っていた議会改革の活動の取組を体系的に明文化したものです。
 ただ、議会基本条例制定の前から「住民との意見交換会」や「議員間での自由討議」、「執行部側の反問(反論)権を認める」などの取組を行っている議会は多くないと思います。そのため、議会基本条例の制定をきっかけとして、議会報告会のような、いわゆる議会改革の取組を始めた議会がほとんどのようです。
 すでに取り組んでいる内容を明文化することにより条例を制定するのは理想ですが、議会基本条例の制定を契機として議会改革を進めていくというのも大いにありだと思います。ただし、すでに制定されている他の議会の議会基本条例の条文のいいところを引っ張り出して、ひとつにまとめるという手法で作成された条例には理念がありません。参考にすることはいいのですが、コピー・アンド・ペーストによる条例にならないようにしましょう。

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