2015.12.25 広報広聴
第7回 何を伝える? どう伝える? 議会広報
議会事務局実務研究会 大島俊也
自治体議員の皆様、こんにちは。第7回目の今回は、議会が住民の目に触れるための大事な手段、議会広報についてです。広報紙やホームページなど、どこも似たり寄ったりなものになりがちな議会広報に共通する疑問点にお答えします。
議会だよりの原稿は誰が書くの?

自治体議会の広報紙、いわゆる「議会だより」は、多くの自治体議会では、議会事務局の職員が書いた原稿を、実際に発言した議員などが校正をしていますが、議員自身が原稿を書く議会もあります。
原稿を書くのに際して議員の皆さんから多くある声が、「会議ではうまく言えなかったけれど、議会だよりの文章では真意に合うような表現に直したい」というものです。単純な言い間違いや専門用語の言い換えなら当然直せます。しかし、全く発言してない意見を長々書き加えたいと言ってきて、職員がビックリさせられることも時にあるようです。会議録や録画映像と比べて間違い探しをするマニアックな住民はそういないでしょうが、実際には発言していないことを掲載したら広報としての信頼性が低下してしまいます。自分の考えを詳しく伝えたいという思いからだとしても、実際の発言を紹介する記事に手を加えすぎる修正はすべきではありません。
議会だよりに掲載する記事や写真に基準はあるの?

議会だよりの記事の掲載基準は、多くの自治体議会に独自の取決めがあります。例えば、「一般質問」の掲載は、○面~△面に載せる、1人当たりの文字数は代表質問が◇字・その他の一般質問が□字とする、写真は1人当たり○枚にする、などなど。
多くの議員が一般質問をする議会だと1人の質問に使えるスペースは限られますが、決められた文字数を超えて「もっと自分の発言や背景説明を載せたい」という希望は多くの議員からあります。議会だよりをしっかり読んでくれる住民はあまり多くはありません。そんな中、議員がいくら正確に知らせたいと考えたとしても、辞書のように文字でびっしり埋まった紙面を住民が読みたいと思うでしょうか。一方、逆に読みやすくするために「もっと写真や余白を増やしたい」という要望もあります。それはそれでソフトな紙面になるでしょうが、肝心の発言内容をどこまで正確に伝えられるかが難問です。二者択一ではなく、それぞれの議会のバランス感覚で独自のスタイルを探っていくことになるのかと思います。