2015.11.25 一般質問
第6回 晴れ舞台の一般質問
一般質問はしなくてはいけないの?

「私の所属する議会では、一般質問ができないと申し合わせている議長と議会選出の監査委員以外の議員は、全員が一般質問をしています。私は今回の議会では一般質問をしないつもりなのですが、大丈夫でしょうか」。こんな疑問をお寄せいただいたことがあります。
ほぼ全議員が一般質問をしている議会では、一般質問をすることが当然という空気になっており、しないことが考えられないという雰囲気になりがちです。そのため、一般質問とは当然行うものであり、おおげさにいえば一般質問をしない議員は自分の仕事を全うしていない議員であると捉えている議員も少なからずいるようです。もちろん一般質問はしなくてはいけないものではありませんので、堂々としていればよいのです。とはいえ、このような議会においては、住民からすると「質問をしていない議員=仕事をしていない議員」と映りかねません。実際に住民から「〇〇議員は議会で全然質問していないが、ちゃんと仕事をしているのか?」と電話を受けたこともあります。電話されてきた方は議会広報を見て電話してきたのですが、一般質問以外にも議員には様々な仕事があるというこちらの説明を、どこまで納得いただけたのかなと今でも思います。
さて、一般質問は議員の晴れ舞台などともいわれます。本会議の中で与えられた時間をどのように使うかは自由であり、そこで執行部側に対する自由な質問や意見の表明ができるのです。選挙時に公約として掲げた内容を質問したことが議会広報に掲載されたりすることにより、有権者へのアピールにもなることから、毎回ほぼ全ての議員が一般質問を行っている議会もあります。しかし、一般質問はあくまで「できる」ものであり強制力はありません。「しない」選択肢もあるのです。議会事務局実務研究会の吉田利宏氏が本サイトで別に連載中の「議会コンシェルジュ第21回 一般質問の廃止は可能なのか?」では、「一般質問をしない」議会について言及していますので、参考にしていただければと思います。
事前に執行部側と調整したくないのですが?

「〇〇議員の一般質問は質問・答弁ともに執行部側の人間が作成し、当日、学芸会よろしく朗読劇をしている」といったうわさを聞いたことはありませんか。真偽のほどが定かかどうかはここでは突き詰めませんが、一般質問をするために内容を通告すると、多くの自治体では執行部側の職員が質問の主旨を確認するために議会を訪れると思います。
「まるで事前調整だ。裏でこんなことはしたくない、本会議場で丁々発止のやりとりをしようじゃないか」との思いを持たれている議員もいるかもしれません。しかし、これを行わないと答弁する執行部側は十分な資料の準備ができないため、質問する議員にとっても当日満足する答弁を引き出せなくなります。「その件については資料が手元にありませんので答弁できません」とか「少々お待ちください」の連続では、とても能率的な議会運営とはいえません。そのため事前の調整はお互いにとってメリットのあることといえるのではないでしょうか。
なお、慣例として質問原稿を事前に提出している議会もあると思います。どうしても事前に出したくない場合、特別な定めがない限り、これに強制力はありません。