2015.11.25 一般質問
第6回 晴れ舞台の一般質問
議会事務局実務研究会 林敏之
自治体議員の皆様、こんにちは。今回は、自治体議員にとって一番の晴れ舞台ともいえる一般質問についてお話しします。与えられた時間内であれば好きなように質問ができ、意見も表明できる一般質問は、議員にとって最もアピールできる場ではないでしょうか。当たり前のように行っている一般質問かもしれませんが、今回も今さら聞きづらい内容などについて取り上げていきたいと思います。
一般質問ってそもそも何なのでしょうか?

質問は議員に認められた最も重要な権限であり、所属する自治体の行政全般にわたり質問することが認められています。標準市議会会議規則62条を見ていただくと、「議員は市の一般事務について、議長の許可を得て質問することができる」との規定があります。注意すべきことはあくまで「市の一般事務」についての質問であり、自衛隊に関する憲法判断や原子力政策についてなど「市の一般事務」と関係のないことは基本的には質問できません。また、質問は執行部に対して行うものであり、議長や議員に対し質問をすることはできません。そのため、質問内容が曖昧で何を聞いているのか分からない場合でも、質問している議員に対して質問することはできないのです。このような場合、往々にして「何言ってるのか分からないよ!」とか「ちゃんと質問してよ」などというヤジが飛び交うことになってしまいがちですが、本来であれば議長に対し質問の意図を明確にするよう議事進行上の発言を行うことが正解でしょう。
『質問』と『質疑』って何が違うの?

本会議や委員会を聞いていると「『質疑』なのに『質問』してるなあ」と思うことがあります。さて、この嘆きの意味が分かりますか?
『質疑』とは、会議において議題となっている案件・議案等に対し、疑問点を明らかにしたり見解をただしたりするものです。よって質疑において、議題を超える内容や自分の意見を述べたりすることはできません。これに対し、『質問』とは、議案とは関係なく所属する市区町村の行政全般を対象に、執行部側に対し疑問点や自分の意見を述べるものです。
しかし、実際の会議では、議案に対する質疑なのに自分の意見を長々と述べるなど、明らかに質疑の枠を超えているのではないかと思われるやりとりがよく見られます。議題に対する理解が深まるものであればともかく、明らかに関係ない『質問』は控えなければなりません。