2015.10.26 視察
第5回 視察についての、ちっちゃな疑問
飛行機やタクシーなどの交通手段は自由に選べるの?

いわゆる公費を使う視察では、交通手段は各自治体の基準に従うことが必要です。都内のある自治体では飛行機の利用は北海道又は九州以南を原則としていて、基準を厳守すると一般的には考えられない不便な行き方になります。また、タクシーを利用できるのは、タクシーでしか移動できない場所だけです。「荷物が重い」「とても疲れてしまった」などの理由でタクシーを使うことも実態としてありますが、その場合は私費で支払います。勝手にタクシーを捕まえて乗ると、随行している職員が慌てふためくことになるでしょう。
ところで、委員会視察などは基本的に全員同じルートで移動します。視察先が実家に近いから自分だけ実家に寄ってから帰るといった別行動は難しいと考えた方がいいでしょう。事故に遭った場合の補償の問題もあり、行きも帰りも決められたルートでの移動が基本となります。よく、学校の先生が「家に帰るまでが遠足です」と注意するようなものです。
視察中にSNSで発信していい?

視察の報告を議員個人のフェイスブックなどのSNSで発信することは、広報活動として評価されていいことですが、やり方や中身によっては問題が起こり得ます。
ある議会では「視察中にSNSの発信をしていいか」が議論になりました。本会議などの会議中に「ただいま審議中です」と発信するのがまずいのは想像がつくでしょうが、視察先ではどうでしょう。現地を案内してもらっているとき、写真を撮影してリアルタイムで発信することは、審議中の発信と同じだともいえます。でも、地元に帰ってから発信するのでは意味がありません。各議会の取決めに注意しつつ判断することとなります。
また、SNSで発信する内容にも気をつけたいところです。旅のお知らせといった感覚で観光地やグルメの画像などを掲載すると、「議員の視察は観光旅行と同じだ」と誤解が広がるばかり。真面目に調査をしにいっていることが分かる内容にすることをお勧めします。