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2015.10.26 視察

第5回 視察についての、ちっちゃな疑問

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議会事務局実務研究会 大島俊也

 自治体議員の皆様、こんにちは。第5回目の今回は、住民やメディアから注目されがちな「視察」についてのお話です。視察の核心部分とはちょっと違うあれやこれやも含め、なかなか聞きにくい、ちっちゃな疑問にお答えします。

行きたい視察先は、どこでも行けるの?

男性

 議員の皆さんの合意が得られていればどこでも行けるかというと、そうはいきません。まず、「視察」に適した内容であることが必要です。視察は自治体の施策に役立つだろう現場に調査に行くものですから、例えば米軍基地や原発などは一部の自治体にとっては切実だとしても、直接関係しない自治体が視察すべきものかは疑問が生じます。また、委員会視察は、その委員会が所管する内容でなければなりませんから、観光分野を所管しない委員会が観光施設を調査するといったことは原則としてできません。
 ちなみに、「どこでもいいから事務局に任せる」とか「北海道で、いい場所を見つけて」など、大ざっぱな依頼を事務局にしてくる議員もいるようですが、本来の目的を考えれば、「○○を調べたい」というテーマなどは議員から事務局に積極的に提示したいところです。

災害が起きそうなときは、どうするの?

女性

 例えば視察先に台風が来そうなときは、交通事情だけでなく受入れ先の状況も確認しなければなりません。その後も状況が変わる可能性はあるので、こまめなチェックが必要です。
 逆に地元の自治体に台風が来そうなときは、どうでしょう。電車などが予定どおり出発するか心配かもしれませんが、それ以前に、台風が来ているときに議員が地元を留守にしていいのかという問題があります。こんなときの対応をあらかじめ明確に決めている議会はあまりなく、臨機応変に視察の必要性と起こり得る災害の重要性とを比べて、委員長などが視察を中止すべきかどうかの判断をしているようです。また、いくつかの委員会が同時に視察に行く場合、委員会ごとに対応が違うわけにいかないので調整も必要となるでしょう。
 ところで、皆さんの議会では委員会視察を全ての委員会が同時に行っていませんか。全議員が地元に不在だと、その間に緊急事態が起きても誰も対応できません。このため、各委員会の視察日程をずらし、必ず何人かは地元にいるようにしている議会が多いようです。

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