2015.09.25 予算・決算
第4回 決算審査の素朴な疑問
議会費について質問していいの?

「議会費について質疑をしたら、誰が答弁するかでもめたことがある」。ちょっとした議会あるあるかもしれませんが、一体誰が答弁すべきなのでしょうか。
各自治体の会議録を見てみると、①議会事務局次長や事務局長が答弁している、②求めに応じて議長が答弁している、③そもそも議会費に対しての質疑はない、④(内容に応じて)会計管理者や財政課課長等の執行部が答弁しているというパターンが多く見られます。本来であれば答弁するのは説明員として出席している職員になるので、④が本筋となるでしょう。しかし、実際に議会費の支出内容を最も知り得ているのは議会事務局です。執行部側は数字については分かるものの、その内容についてまでは分かりません。そのため議会事務局次長が答弁することが最も合理的であり、多くの議会でそのような運用がなされているものと思います。
また、議会事務局次長等が答弁できるよう説明員としての出席要求をしている議会や、条例を整備している議会もあります。なお、議会費については議会運営委員会や幹事長会などで十分に議論ができるため、決算の審査では取り上げるべきではないという考え方もあり、議会費に対する質疑が全くない議会もあります。しかし議論が表に出ないため、決算を審査する委員会を傍聴した住民から「議会費についてはチェックもしないのか」と批判を浴びる可能性がありますので注意が必要です。
予算案に反対したから決算は不認定にすべき?

議会は合議体ですので、議員個人としては反対しても、議会としての結論は賛成となることは当然にしてあります。議会として予算案を認めたわけですから、議員個人としては反対したとしても適正な支出が行われたかどうか、将来の財政運営に反映させることはないかなどを審査する必要があります。
予算案の反対理由となった事業についても、議会としては認めたわけですから、あくまで適正な事務に基づき支出されたか、成果が得られているかなどを確認すべきです。その事業の執行自体が気に入らないからどんな効果が出ようとも不認定とするのではなく、理由がある場合にのみ不認定とすべきです。
「予算案に反対しちゃったから、決算は認定できないの?」と実際に聞かれた事務局職員がいますが、これらの理由から、予算と決算の賛否が一致する必要は全くありません。