2015.07.27 議会事務局
第2回 議会事務局って何ですか?
地区の会合に呼ばれているので挨拶文を書いてよ

議会事務局が議長の挨拶文の確認をしていることを知った議員から、こんな頼みごとをされることがあります。しかし、議会活動ではない“議員の活動”に対するサポートは、議会事務局の職務の範囲を超え、特定の相手への利益供与とみなされてしまうためできません。議長の挨拶文の確認は議会活動の範囲で行っていますが、議会活動ではない部分については議長であっても事務局ではサポートできないのです。頼まれると断るのは心苦しいのですが、ご理解ください。また、断れずに受けている職員がいるかもしれませんが、上記の事情を勘案し、議員の側から配慮していただけると幸いです。
地方自治法上、議会事務局にある図書室って必要なの?

議会には図書室を設置することが義務付けられており、議会図書室を設置しないわけにはいきません。とはいえ、議会図書室が物置と化している議会は多いと思います。予算の都合から図書の購入費も微々たるもので、専任の司書を置いている議会もほとんどありません。議員としてもわざわざ議会図書室を使わないでも、図書館を使った方が蔵書数も多いし便利だという意見が多いのもうなずけます。
しかし、本来は議会図書室で目的が達成できるようになれば、議員にとってもこれほど楽なことはないはずです。『戦える議会図書室』とするために、様々な取組が全国で始まっています。例えば、三重県鳥羽市議会では、鳥羽市立及び三重県立図書館と連携を行い、議会図書室にない資料の貸出しを受けたり、レファレンスサービスを受けられるようにしました。また東京都立川市議会では、執行部側の資料室と議会図書室を一体化させることにより、職員を常駐させることができるようになりました。多くの議会で物置と化している議会図書室もいろいろな知恵を出すことにより、可能性が広がっていくのではないでしょうか。
【番外編】議会事務局って人気がある職場ですか?

「議会事務局への異動を伝えられたときは非常に驚いた」。ほとんどの事務局職員が口にする言葉です。議会事務局は市民から目立たない場所に位置していることが多いため、なじみが薄く、仕事内容があまり伝わってきません。「何をしているかよく分からないけど、大変そう」というのが一般的なイメージでしょうか。そのため、積極的に異動したいといっている職員はあまり聞いたことがありません。一回、議会事務局を経験すると「もう一回議会事務局で仕事をしたい」という職員と「二度と議会事務局では仕事をしたくない」と拒絶する職員に分かれます。ある意味、万人受けはしないが、はまる人にははまる職場であるといえましょう。
いかがでしたか? 皆様の議会の議会事務局に当てはまるような内容はありましたか。いろいろと書き連ねましたが、議会事務局は基本的に議員の味方です。うまく使っていただき、より良い議会にしていっていただけたら幸いです。議会事務局の話はまだまだありますので、機会があればまた取り上げていきたいと思います。さて、次回は「委員会」を取り上げます。9月議会前に一読いただければ、委員会での審査に面白味が出るかもしれません。