2015.07.27 議会事務局
第2回 議会事務局って何ですか?
政策条例案を提出したいけれど、どこまで事務局でつくってくれるの?

事務局によって温度差が最も大きい業務のひとつではないでしょうか。「条例案はそのまま議案として出せるような体裁にまで議員自らが仕上げて、議会事務局に提出するものだ」というスタンスの職員が多勢を占める議会もあれば、「議員とのヒアリングを重ねて議員の意図をくみ取りながら事務局で条例案を調製していくものだ」という積極的な議会もあります。この差はいったいどこから生まれてくるのでしょうか。キーワードのひとつとして「距離感」が挙げられると思います。本来、議会と議会事務局は同じ目標に向かった車の両輪と例えられ、事務局職員は議員の議会活動に対し寄り添いながら補佐する機能が求められています。しかし、現実には「この仕事は議員自身がすべきこと」「事務局職員が手を出す範疇(はんちゅう)を超えている」といった縦割り意識が多かれ少なかれ存在しているようです。もちろん政治的な判断に手を出さないという意識は正しいのですが、そうでない部分にまで壁をつくってしまい、結果として車の両輪なのにお互いのタイヤが見えなくなってしまっては、議会の機能不全につながります。そんな広い車幅の車は公道を走れません。
全国で初めて議会基本条例を制定し、議会改革のパイオニア的議会である栗山町議会(1)など世間で評判のいい議会は、議員と事務局との距離感が絶妙で信頼関係ができ上がっており、お互いを高め合う風土が根づいているように感じます。とはいえ政策条例案の立案作業は調査担当者として最も困難な業務のひとつであり、またほとんどの議会事務局ではマンパワーが全く足りていないという課題もあります。そのあたりの状況を勘案しつつ、条例案は2~3日で完成するものではないことを理解いただいた上で、事務局担当職員と話を詰めながら条例案の立案作業を進めていただけたらと思います。
(1) 北海道夕張郡に位置する。平成18年5月に全国で初めて議会基本条例を制定した。その後、多くの議会が議会基本条例を制定したが、栗山町議会はさらに改正を重ねており、市民に開かれた議会のトップランナーとして今なお君臨している。
議会事務局の女子職員と飲み会をしたいのですが…

私のいた自治体ではこういった話はありませんでしたが、他の議会の話を聞くと、このような事例はままあるようです。当人同士がどう思っているかなどによっても違ってくるかと思いますが、一般的には議員は職務上優位にある立場であり断りづらいことを鑑みると、パワーハラスメントと捉えられる可能性があるのではないでしょうか。また、事務局職員は議員に対して高い中立性を求められる立場です。特定の会派の色がついてしまうことは職務上よろしくないことですので、そのあたりの心配りをしていただく必要があると思います。