地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2015.04.27 仕事術

好感力アップの情報戦略 議員のためのメディア・トレーニング(下)

LINEで送る

深い声は信頼感を演出する

 自分の声はどんな声だと思いますか? よく分からない人は家族に聞いてみましょう。あるいは自分の声を録音してみます。再生して聞くときには、次の3つの点に留意します。
◦腹式呼吸で、お腹から声を出しているか
◦声が裏返ったりせず、安定しているか
◦滑らかに話しているか
 思い出してみましょう。声の調子による印象は38%でした。言葉よりも声の調子によるメッセージ力は大きいのです。より効果的な声の演出をするには、次の4つのことを心がけます。
◦重要な言葉は強く言い、重要でない言葉は弱く言う
◦調子を変える
◦話す速度を変える
◦重要なポイントの前後に間を開ける
 特に、間の使い方は重要です。心理学の実験では、男性の場合には長い間をとると主張的であると見なされるという結果が出ています(1980年、ピッチャーとメイクル)。実際、記者の特性として、相手が窮する質問を出すことにハッスルしてしまうところがあります。どのような質問にもスラスラと回答してしまうとかえって反感を持たれたり、もっと困らせてやろうという心理が働いてしまうのです。ですから、インタビューや記者会見時には、すぐに回答できる内容の質問であっても、適当に間をとりながら、ゆっくりと考えながら回答しましょう。この演出には水を使うと効果的です。適当な間をつくってくれるからです。
 「アーウー宰相」と呼ばれた大平正芳元首相は、記者会見や国会答弁で「ウー」と言ったままなかなか次の言葉を発せず、間が持たないとさらに「アー」と言って間をつくってようやく言葉が出てきました。しかしながら、記者たちがメモを起こしてみると実に理路整然とした内容だったそうです。ポーズとして間をつくるのではなく、言葉を考えるための間であることを忘れないでください。
 話す速度も大切です。イベント告知の記者発表会など話したいことがたくさんある場合には、ある程度スピードをつけて話をした方がエネルギッシュでイベントへの意気込みを演出することができます。反対に、不祥事会見の場合には、早口で話をすると逆効果になります。また、うっかりと失言をしてしまう危険も伴います。危機的状況においては、ゆっくりと一言一言かみ締めながら話をするようにしましょう。その方が反省の気持ち、謝罪の気持ち、真摯な気持ちをより効果的に伝えることができます。

ゼスチャーは意識的にまねることから

 ゼスチャーの効果を考えてみましょう。直立不動の人の話よりも、身振り手振りを使った人の方が内容を理解しやすいと思いませんか。ゼスチャーは、言葉の意味の強調、ニュアンスを弱める、という効果があり、効率の良いコミュニケーションを可能にするので、積極的に使っていきましょう。訓練するには、まず意識的にゼスチャーを使うことです。その刺激を受けて、自発的に使えるようになります。それに伴って、不思議と顔の表情も明るくなり、全体的な態度も熱意を帯びてくるようになります。おそらく適度な手足の動きが血行をよくするのでしょう。言葉のインパクトを強める良いゼスチャーを身に付けていく過程でこれまでの悪い癖を直し、自分が落ち着くゼスチャーを開発していくということです。
 ゼスチャーやポーズは効果的なコミュニケーションだけでなく、自分のコンディションを整える効果もあります。例えば、イギリスのメイジャー元首相は、回答に窮したときには、背広を脱ぎ、演台から数歩横に動き、片手で台にもたれかかったり、耳たぶに触れたりしていました。これは、自分自身をリラックスさせ、深刻さを和らげるために行っていたとする心理分析があります。メッセージをより印象的に伝えたい場合や自分のコンディションを整えたいときにはゼスチャーをうまく使いましょう。

この記事の著者

議員 NAVI

今日は何の日?

2024年10 9

北朝鮮が初の核実験(平成18年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る