2015.01.10 選挙
調査分析 地方議会は有権者にどう見られているのか(下)
「不祥事」以後の選挙
何を伝えるか、どう伝えるか
今春の統一地方選挙は、2014年夏に起きた地方議会「不祥事」の影響で、現職が不利な選挙になることは間違いない。では、議会・議員はどうすればいいのか。超党派の政策型地方議員で構成される団体「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」は2014年7月16日から18日に調査を実施、全国男女有権者の1,122人の回答を得た。
結論からいえば、地方選挙でこそ、政策で戦うことが求められている。地方選挙でこそ、政策で戦うことが求められている。なぜそのようなことがいえるのか。今回は、「有権者は選挙で何を判断材料にして投票しているか」を中心に調査結果をひも解き、選挙で政策を伝えることの是非や、どのツールを使い、有権者へ何を伝えていくのが効果的かなど、具体的な方策を紹介したい。
有権者は情報を求めている
まず、「有権者は情報を求めている」ということをお伝えしたい。前回の統一選後に、明るい選挙推進協会が実施した意識調査によると、1980年代に3割程度だった「候補者情報の不足」を感じている有権者が、初めて50%に達した。情報を伝える手段は多様化している中で、地方選挙において有権者の意識は「候補者の情報を求める」方向へと変化していることが分かる。
では、有権者はどのような情報を求めているのか。Q7で、選挙で投票する際の「候補者を選ぶ理由」を聞いている。主に資質や能力を聞くと、「実行力・行動力」と「政策・提言」がそれぞれ37.5%、37.1%と頭一つ抜きん出た。次に「将来のビジョン」、「人柄」、「所属政党・会派」、「思想・信条」、「実績・経験」が2割前後で続く。前回の地方議員のイメージとの関連で「地域への利益誘導」は7.8%。「年齢(若さ)」5.5%、「学歴・職歴」2.6%だった。
もちろん個別の選挙でいえば、土地柄や政治風土によって多少は上下するだろうが、経験上、有権者が投票の際に「実行力」、「政策」を重視する態度は国政でも地方政治の場でも変わらない。「政党・会派」より「人柄」を理由とする回答も多く、候補者を選ぶ傾向の大きい地方選挙ならではだが、「年齢」や「学歴・職歴」は重視されていないことが分かる。