2014.11.10 仕事術
データプレゼン入門 政策をつくる人のためのデータで伝える技術 第3回 データに説得力を持たせる8つのテクニック
3 比率で表したり、並べ替えてランキング・データにする
日本の中で自転車の利用が盛んな地域を見るため、図2には、都道府県別の自転車の普及台数と普及率の上位20県のランキングを掲げています。トップ3は、普及台数では、東京、大阪、埼玉、普及率では、埼玉、大阪、東京となっています。
自転車はやはり大都市圏で普及が進んでいることが分かります。
原データは普及台数だけでしたが、東京は人口も1位ですので人口当たりに直して比べてみないと本当の意味での普及度は測れないので、普及率を計算してみると埼玉、大阪、東京の順となります。平坦な地形を持っているかどうかも重要かもしれません。
このように原データあるいは比率データを多い順、高い順に並べ替えて表現すると、分かりやすいデータになります。
4 区分数を減らして分かりやすくする
データが足りないのも問題ですが、データが過剰なのも物事の理解の妨げとなります。そのため、社会にデータがあふれる時代となるに従い、データをシンプルにすることが重要な場合も増えています。
まず、原データの統計区分が細かすぎて分かりにくいときは、区分数を集約して示すことが重要です。
図3は過去1年にパチンコを行ったかという行動者率で年齢別のパチンコ人口の推移を追ったグラフです。原データは年齢9区分ごとのデータでした。これを左図に掲げています。これをよく見ると20歳代を前半と後半に分けてもあまり動きに違いがないこと、また30歳代と40歳代も動きにあまり違いがないことが分かります。15~19歳の未成年についてはパチンコをしていること自体に議論が出るので、年齢による動きの違いを見るという目的からはかえって邪魔になります。
そこで、右図は、未成年を省略し、また似通った動きの年代は統合し、5区分の動きで推移を追っています。これを見れば、バブル期に若い層ほどパチンコをする人が増えたが、その後、若い層ほどパチンコ人口は減少したこと、また、60歳以上の高齢者では、なおパチンコ人口は減っていないこと、この結果、パチンコは年齢差がほとんどなくなったこと、などが一目でよく分かります。
さらに、区分を減らした結果、図中のスペースが広がったため、データ数値の付記が容易となった点もシンプル化の大きなメリットとなっています。