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2014.07.10 仕事術

データプレゼン入門 政策をつくる人のためのデータで伝える技術 第1回 どんな統計グラフを選ぶのか

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変化の時期や程度が分かりやすい折れ線グラフ

 時系列変化を表すのに最も適しているのが折れ線グラフです。例えば、ある町の人口の推移などは、棒グラフでも表せます。棒グラフの方が、人口規模自体の増え具合、減り具合を実感をもって把握するには適しているともいえます。ただし、いつ頃から急に減り始めたかということは、折れ線グラフの方が分かりやすいのです。なぜなら、折れ線グラフは、線の傾き(角度)で変化の程度を読み取ることができるからです。また、折れ線グラフの良いところは、複数の系列データの推移を同時に追うことができる点にもあります。
 実例として、図2に全国、青森、沖縄の出生率の推移を戦前から追った折れ線グラフを掲げました。
 沖縄が、生涯何人の子どもを生むかを示す合計特殊出生率が全国一、すなわち最も子だくさんの県であることは、比較的よく知られています。ところが戦前には、沖縄は全国最下位に近かったことは、あまり知られていません。風土的にもともと沖縄が子だくさんであったわけではないのです。戦前に全国一の多産県は青森でした。しかし、青森は、今は全国水準を下回っています。
 戦前からほぼ10年おきに追った推移を見れば、本土では、敗戦を挟んで1960年にかけ、家族計画の普及などを通じ、地域格差を縮小させながら一気に出生率の低下が進んだのに対して、戦後、米軍の占領下にあった沖縄ではこうした本土の動きから取り残されて、その結果、施政権返還後、図らずも出生率日本一に躍り出たと解釈するのが妥当だということが分かります。
 これは、歴史を知らず、現在の状況の特徴からロマンチックに風土論を展開することがいかに誤った理解に結びつきやすいかを示しているものとして私にとっては極めて印象深く、自戒の銘とすべきと思っているデータです。

図2:出生率の推移(全国、青森、沖縄)

そのものズバリの割合表現、帯グラフ

 構成比のパーセントを示すには、円グラフか帯グラフが使われます。円グラフはパイグラフとも呼ばれるとおり、パイの切り分けそのままに内訳の構成を示す分かりやすいグラフです。しかし、複数の構成比を時系列あるいは地域別などで比較したい場合は、円グラフをいくつも並べるより、帯グラフで示した方が、相互の構成割合の差を明確に読み取ることができることから便利です。
 グローバル化のひとつの表れとして、近年、同じ調査票で複数国が参加する国際意識調査が増え、これまで分からなかった国民性や生活意識の国ごとの違いが手にとるように見ることができるようになりました。帯グラフの実例として、そうした国際意識調査から「結局のところ幸せに暮らしているのは男か女か」という設問に対する回答率の状況を図3に示しました。儒教の影響で男女差別が残っているはずの日本や韓国では、海外とは逆に、男より女の方が良い生活を送っていると感じている人の方が多くなっています。男女同権のはずのフランスでは、75%の人が男の方が良い生活を送っていると回答しています。何か、我々は大きな思い違いをしているのではないでしょうか。

図3:結局のところ幸せに暮らしているのは男か女か(国際比較)

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