2024年4月19日、早稲田大学マニフェスト研究所による「地方議会を変革する生成AI活用講座① ~地方議員がゼロから始めるChatGPT~」が開催されました。すでに先進的な自治体においてはChatGPTが業務改革に活用され始めているところ、まだ地方議会での活用事例は少なくこれからの展開に期待される中、生成AIやChatGPTに興味のある初心者の地方議員を対象に企画された本研修会は、30名の定員が満席になり、全国から多くの参加者が集まりました。充実した演習が行われた当日の様子を紹介いたします。
1時間目:生成AIとChatGPTの活用:基礎セッション
①「議会改革と生成AI」
まず、早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員の林紀行氏(日本大学法学部教授)より、ChatGPTの基礎と、議会で活用するポイントについての講義が行われました。質問力の向上、質問づくりの負荷が減ることによる、なり手不足への対応、抜け漏れの指摘により議案審査の議論が充実することで議会力の向上につながり追認機関から脱却できることなど、議員活動にどのように有効活用できるか説明されました。ChatGPTの活用にはコミュニケーション能力が求められ、議員の方々の得意分野であるという話が印象的でした。
林紀行氏(日本大学法学部教授)
②ChatGPTの基本操作と活用スキル、プロンプト
次いで、早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員の西川裕也氏(NTTアドバンステクノロジ(株)担当課長)により、「ChatGPTの基本操作と活用スキル、プロンプト」の説明が行われ、各自治体のキャッチコピーの作成、自治体の児童手当に関するFAQの作成などが瞬時にできる様を、参加者が各々のPCで実際に手を動かし体験しました。
西川裕也氏(NTTアドバンステクノロジ(株)担当課長)
2時間目:生成AIとChatGPTの活用:演習セッション(1)
1時間目に習得した基本的な知識を活用した演習セッションで、実際に行われた一般質問の文章について分かりにくい点の指摘やその改善方法などを指摘させることでブラッシュアップする実演、具体的な質問項目と質問の文章を作成する実演、首長との「模擬質疑応答」を生成するなどの演習セッションが行われました。
また、この日は、特別講演として、「議会改革度調査ランキング」2022、2023年度連続全国1位となった登別市議会の辻弘之議長の特別講演が行われました。
辻弘之登別市議会議長
平成12年にIT推進特別委員会を設けた登別市は、議場への貸し出しPCの持ち込みや、質問時のモニタ使用など、先進的な取組を積み重ね、「多様性のある議会へ」として、現在柔軟にオンライン委員会参加に取り組まれている様子などが紹介されました。
3時間目:生成AIとChatGPTの活用:演習セッション(2)
3時間目の演習では、応用編として、複数の議員のペルソナ(仮想的な人物像)を設定し、模擬議員間討議の生成に挑みました。会派、性別、年齢等異なる属性をもった複数の議員による特定の課題についての討議の議事録が作成され、その議論で得られた示唆をもとに、首長に対する質問文の作成に至りました。
更に、それぞれの議会の会議録からダウンロードした首長の発言集を読み込んだ首長botを作成し、質問のシミュレーションを行う実演を行いました。
最後に「Copliot」「Gemini」「Tsuzumi」などその他の生成AIの紹介があった後、質疑応答と振り返りを行い、終了となりました。
「地方議会を変革する生成AI活用講座~地方議員がゼロから始めるChatGPT~」は、5/17(金)に(第1回と同じ内容で)第2回が開催されます。 お申込みはこちら⇒https://gikaixchatgpt-try20240517.peatix.com/ |