地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

2016.06.27 ICT活用・DX

第13回 議会のICT化~見せる? 魅せる? 議会中継~

LINEで送る

議会事務局実務研究会 林敏之

 自治体議員の皆様、こんにちは。今回は議会のICT化をテーマとして、特に「インターネット議会中継」を中心にお届けいたします。多くの議会で議会基本条例の制定が進み、次なる議会改革の一手としてICT化を進める議会が増えています。しかし、流行だからという理由だけで飛びついたりしてはいませんか?

議会のICT化って何のために行うの?

男性

 『ICT』っていったい何のことでしょうか? 教科書的な話になりますが、ICT(Information and Communication Technology)とは「情報通信技術」と訳され、分かりやすくいうとコンピューターを活用して情報を伝えたり保存したりしようということです。それでは「議会のICT化」と聞くと、皆さんは何を想像するでしょうか? 分かりやすい例を挙げますと、ほとんどの議会で開設されている議会のホームページは立派なICT化といえます。かつて議会から住民に対し広報する媒体としては、紙の議会だよりしかありませんでした。しかし、議会ホームページの開設により、いち早く議会の情報を提供することができるようになり、住民の利便性は格段に上がりました。最近では、さらにTwitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)などの双方向性や拡散性のあるツールを活用することにより、より多くの住民に議会の情報を伝えることができるように工夫する議会も増加しています。このように議会のICT化とは、目的(上記の例としては、より多くの住民に議会の情報を発信する)に対し、ICTを用いることによってそれを達成しようとすることなのです。

議会のICT化にはどんなものがあるのでしょうか?

女性

 議会改革の協議の場などで、議会のICT化についての話題が出ている議会も多いと思います。そういった協議を通じて、自分たちの議会の目指す方向性が見え始めたならば、その目的に向かって少しずつ改革を進めていくことになります。例えば「住民にもっと議会への関心を深めてもらいたい」のであれば、議場に行かなくても議会を見ることができる議会中継の導入が第一に挙がるでしょう。また、せっかく議会中継をしても何をやっているのか分かりにくいと、中継を見る人も減少していきます。電子表決にして賛否を明確にしたり、一般質問等においてグラフや表をスクリーンに投影したりするなど、視覚的にも分かりやすくして、視聴者に興味を持たせる努力は必要だと思います。また、すでに議会中継を行っているのであれば、さらに中継対象を委員会や全員協議会に広げることも検討できる内容でしょう。
 ICT化によって経費を削減しようとする動きもあります。よく聞かれるのがペーパーレス化による議会資料の印刷費用の削減です。資料をPDFファイルなどの電子ファイルにして各議員に送信することで、紙代や印刷にかかる人件費等が削減でき、各議員に配付する手間を減らすことができるというものです。ただし、すべての議員が電子ファイルを活用できるわけではありません。そのため、タブレット端末等を全議員に貸与する議会が増えています。他にもタブレットを用いたテレビ電話機能を使って、遠隔地からの会議の参加や、災害時での活用を検討するなど、ICT化をどんどん進めている議会もあります。
 ただし、前述したとおり、議会のICT化は目的を達成するための手段として用いるものです。くれぐれもICT化そのものを目的にしないようにすべきです。

この記事の著者

議員 NAVI

今日は何の日?

2025年 425

衆議院選挙で社会党第一党となる(昭和22年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る