2015.08.25 議会事務局
第3回 委員会で迷うこと、あれこれ
議会事務局実務研究会 大島俊也
自治体議員の皆様、こんにちは。第3回目の今回は、議員にとっての主戦場といっても過言ではない「委員会」についてのお話です。ほぼ確実に全ての議員に等しく出番がある委員会についての、ちょっとした疑問を取り上げていきたいと思います。
委員会での発言で気をつけた方がいいことは?

議題の内容にかかわらず一般的に気をつけた方がいいことを挙げてみましょう。
まず、簡潔明瞭に発言することです。議論に熱が入ると説明が詳細になるあまり、要領を得なくなりがちです。議員に聞き返すのは失礼になるという思いから、答弁者はそのまま何とか答えようと努力し、結果的に答弁漏れをしたり曖昧な答えになったり……。その場はそれで済んでも、議会事務局が会議録などをつくるために発言内容を読み返すと、実は議論がかみ合っていなかったことや質問の答えがなかったことに気づいたりします。
もうひとつ気をつけた方がいいことは、いわゆる“問題発言”についてです。差別的発言はもちろん、他の議員が所属する会派への批判や伝聞に基づくことを断定的に発言することなどが問題視されたりします。自分の発言に問題があったと思ったり、誰かから指摘されたりして発言を取り消したいときは、その会議を開いた会期内に委員長に申し出ることが必要です。
パネルや写真、現物を見せながら発言できるの?

国会中継を見ると、国会議員が表やグラフなどの書かれたパネルを見せながら質問していることがあります。国会で認めているのだから自治体議会でもできて当然かというと、実はそうとも限りません。
委員会室で実際にパネルなどを見て発言を聞いている人にとっては、その方が分かりやすいでしょう。でも、後日、その委員会の会議録を読む場合には、パネルなどを見せながら「ここがこうなっているから」と発言していたものは、文字だけで読むと何を言っていたのか伝わりません。こんな事情から、委員会でのパネル等の使用を認めるか、認める場合には会議録にそのパネルの内容を掲載するかなどの取扱いは、個々の議会によって違います。委員長の許可で認める議会もあれば、前例がなく、あらかじめ議会運営委員会などで合意してからでないと認められない議会もあるので、もしパネル等の使用を検討している場合には事務局職員に相談してみることをお勧めします。