2020.09.25 コロナ対応
第22回 新型コロナ禍における選挙運動
弁護士 金岡宏樹
前回の記事では、新型コロナウイルスの感染が早期に収束することを願っていますと記載しましたが、残念ながらまだまだ収束への道筋が見えてこない状況が続いています。
しかし、このような状況でも政治は動きますし、選挙も行われます。
そこで今回は、新型コロナウイルス対策下で選挙運動を行う場合に想定しうる状況と公職選挙法(以下「法」といいます)の関係について検討してみたいと思います。
Question
Q X市の市議会議員Aさんは、間もなく告示される市議会議員選挙で再選を果たすため選挙運動の準備をしていますが、新型コロナウイルスの感染対策をすべく、以下のようなことを考えています。問題はないでしょうか。
① 選挙運動中、選挙運動員に対して感染予防目的でマスクやフェイスシールドを支給する。
② 個人演説会で、会場入り口にアルコールスプレーを設置し、来場者に利用してもらう。
③ 個人演説会場の外で、マスクをせずに来場した人に対しマスクを配布する。
④ Aさんは街頭で大声を張り上げるのではなく手を振るだけとし、大画面のモニターを設置してAさんが政策や主張を語る動画を放映する。
⑤ 選挙運動用ビラを街頭等で手配りせず、支援者の会社などにまとめて送付し、従業員に渡したりポスティングしてもらう。
⑥ 選挙運動用ビラを選挙区内の喫茶店や商店の店舗に置かせてもらい、お客に自由に持ち帰ってもらえるようにする。
⑦ 密状態を避けるため、選挙はがき用名簿のとりまとめや宛名書き作業、選挙運動用ビラの証紙貼付け業務等を割り振り、担当者の自宅にて家族で手分けして行ってもらう。