2018.06.25 議会事務局
第37回【最終回】 議会にまつわる様々な疑問
議会事務局実務研究会 林 敏之
大島俊也
自治体議員の皆様、こんにちは。最終回の今回は、これまで文字数や項目の都合により取り上げにくかった内容について、お届けいたします。
いつからいつまで「議員」なの?

自治体議会の議員の任期は地方自治法で4年と決められています。では、その任期の始まりはいつからなのでしょうか? 公職選挙法で、当選人として告示された日から議員としての身分は発生すると定められています。ただし、一般的に自治体議会の選挙は任期満了前に行われるため、原則として前任の議員の任期満了の日の翌日から議員となり、任期もその日から起算します。なお、何らかの事情で選挙後に前任の議員が1人もいなくなった場合は、議員がすべていなくなった日の翌日から議員となります。任期途中で欠員が出たときに行われる補欠選挙で当選した場合の任期は、前任者の残りの期間となります。
前述のように自治体議員の任期は4年のため、4年が過ぎれば議員の身分は消失します。また、任期途中で議員の身分を失う場合は、辞職する場合がほとんどです。ただし、勝手に辞職することはできません。議会開会中は議会の、閉会中は議長の許可が必要です。ちなみに議員が次々と辞職し、自分しか議員が残っていない場合は、自分に対して辞表を提出することになります。余談になりますが、4年に一度の統一地方選挙以外の時期に選挙がある議会は、過去に議会の解散等があったことを示唆しています。調べてみるとその自治体議会の歴史が見えてくるかもしれません。
議席ってどうやって決めるの?

本会議場で座る場所は、議席番号順に若い番号の人が前列で、最後列にはいわゆるベテラン議員が座っていることが多いかと思います。さて、今更ですが、議席ってどうやって決めているのでしょうか?
改選後、初めての本会議において臨時議長が仮議席を指定し、臨時議長あるいは選出された議長が議席を指定するという流れが教科書的な説明です。実際には本会議前に会派代表者で話し合って決定している議会がほとんどだと思います。事務局的にも本会議までに氏名標を作成したり、ホームページの準備をしたりする必要があり、内々に決定しておいてくれた方がスムーズに準備が進むのでありがたいというのが本音です。ただ、どこの議会もそのようにしているわけではなく、例えば本会議当日にくじ引きで決定するという議会もあるようです。議席については暗黙の了解があり、首長が座る前にはいわゆる与党会派の議員が座り、議長席を挟んで反対側に野党会派の議員が座るのが通例です。首長の目の前に野党会派の議員がにらみを利かせる議場というのも面白いかもしれませんが、なかなかそれは実現が難しいようです。
結婚式の披露宴において、招待客の席次や挨拶の順番などで頭を悩ませた経験がある方はいると思いますが、議会では議席番号順で順番を決めることが可能ですので、議会事務局的には便利なものです。もちろん、すべてが議席番号で片付けられるものではありませんが、これがないと何をするにも、毎回毎回、当選回数順にするのか年齢順も加味するのか、はたまた与党会派を先にするのかなど、担当者は頭を悩ませることになります。